2024年シーズン全日本ラリー選手権第7戦「RALLY HOKKAIDO」は、9月8日(日)に4本のスペシャルステージを走行し、トップカテゴリーのJN-1クラスは、新井大輝/松尾俊亮(シュコダ・ファビアR5)が、ハリー・ベイツ/コーラル・テイラー(トヨタGRヤリス・ラリー2)に49.1秒差をつけてシーズン5勝目を飾った。これで最終戦を残し、新井大輝のJN-クラスドライバーズ選手権王座が確定している。1分30秒2差の3位には奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス・ラリー2)が入っている。なお、コ・ドライバーズのタイトルに関しては、最終戦に持ち越しとなっている。
ラリー2日目は「SSS イケダ(0.50km)」「オトフケ・リバース(6.12km)」の2ステージを、サービスを挟んでリピートする4SS、13.24km。リタイアが続出しタフな1日となった初日から一転、「ヤム・ワッカ(23.49km)」1本よりも短い距離を走行し、フィナーレを迎える。
北愛国のサービスパークには、雲ひとつない青空が広がり、コンディションはドライ。首位の新井大輝は、2番手のハリー・ベイツに51.6秒という大きなアドバンテージを持って2日目をスタートした。新井大輝はショートステージのSS1こそ、ベストのベイツから1.6秒差の10番手タイムとなったものの、SS2ではしっかりとベストを獲り切り、午前中のセクションを問題なく走り切る。
北愛国のサービスを挟んだ後半のセクションも、新井大輝はペースをしっかりとコントロールし、トップフィニッシュ。シーズン5勝目を決め、最終戦ハイランドを待たずに2020年シーズン以来となる全日本ラリー選手権王座を確定させた。
今シーズンはWRCラリージャパンへの参戦も表明している新井大輝は「僕らのチームはトラブルでリタイアか、勝利という状況だったので、エンジンのオーバーホールも含めて、できることはすべてやってこのラリーに挑みました。正直、ラリージャパンに向けて、あまりクルマを酷使せずにタイトルを決めたかったんですが(笑)、それでもタイトルを決められて良かったです」と喜びを語っている。
ベイツは、前日のポップオフバルブのトラブルを解消したこの日は3本のベストを並べて、49.1秒差の2位。日本での初参戦を終え「2位でフィニッシュできて本当にハッピーだよ。フィニッシュにたどり着けてホッとしているし、日本で戦えたことに心から感謝している。昨日はトラブルがあったけど、今日のGRヤリス・ラリー2は完璧だったし、全体的に素晴らしい週末になった。ヒロキとも、ステージごとに僅差の争いができて本当に楽しかった」と笑顔で振り返った。
カムイに続く2戦連続の3位表彰台となった奴田原だが、「リタイアが続出するなかで、しっかり走り切れたのは、チームのハードワークがあったからこそです。自分としては、もう少し上手く走りたかったという思いはあります。まだまだグラベル2戦目なので、いくつか課題を感じました」と、悔しさをのぞかせた。
2分03秒6差の4位は、新井敏弘/井上草汰(スバルWRX S4)。5番手を走行していた大竹直生/橋本美咲(トヨタGRヤリス)が、最終のSS12においてエンジントラブルでストップ、その後出火しリタイア。この結果、鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX S4)が5位、初日のブレーキトラブルから大きく遅れていた福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)が6位と、ひとつずつ順位を上げている。