WRC第10戦アクロポリス・ラリーギリシャ(グラベル)で今季最終戦を迎えたジュニアWRCは、イベントを2位でフィニッシュしたエストニアのロメ・ユルゲンソンがタイトルを獲得。セバスチャン・オジエ、ティエリー・ヌービル、クレイグ・ブリーンなど、その後WRCで活躍することになるジュニアWRCチャンピオンの仲間入りを果たした。
Mスポーツ・ポーランドが製作するフォード・フィエスタ・ラリー3のワンメイクシリーズとなるジュニアWRCは、今季はスウェーデン、クロアチア、サルディニア、フィンランド、アクロポリスの全5戦での構成となった。24歳のユルゲンソンは、スウェーデンを2位、クロアチアで優勝をマークし、選手権トップで最終戦のアクロポリスを迎えた。
選手権ライバルたちがアクロポリスの過酷なステージに翻弄されるなか、2番手で最終日を迎えたユルゲンソンは、この日の3SSをしっかり計算しながらリスクのないアプローチで走行。部門トップでフィニッシュしたノルベルト・メイヤーに1分6秒差の2位で走り切り、タイトルを手にした。
FIAラリースタープログラムを通してジュニアWRCへの参戦チャンスをつかんだユルゲンソンは、2022年のロベルト・ビルベスに続いてエストニア人としてはふたり目のジュニアWRC王者となった。今季は、5戦中3戦でポディウムに上がったうえに、ステージウインを獲得するたびに与えられるステージウインポイントは29ポイントと、ほかのドライバーの倍以上にも達した。
ユルゲンソンにはタイトル獲得の特典として、2025年のWRCヨーロッパイベント4戦に、Mスポーツ・フォードからフィエスタ・ラリー2で参戦する権利が与えられ、このプログラムには相応のテストとMスポーツ・ポーランド、ピレリからの支援も含まれる。
「オジエやブリーン、そのほか過去のジュニアWRC王者と並んで歴史の1ページに名前を連ねることができるのは本当に素晴らしいこと」とユルゲンソンは喜びの表情を見せた。
「アクロポリスでは、しっかり目を見開いてドライブしなくてはならなかったが、自分たちは勘が良かったし、大きな岩もかなりたくさん避け切れた。最終的に、それがすべてうまくいった」
今季のジュニアWRCは、22人のドライバーが少なくともひとつのイベントに出場するなど活況を呈し、19人がポイントを獲得、9人のドライバーが表彰台を獲得した。
WRCアクロポリス ジュニアWRC部門最終結果
1 N.メイヤー(ルーマニア) 4:02:05.7
2 R.ユルゲンソン(エストニア) +1:06.1
3 T.レソネット(ベルギー) +7:11.4
4 J.カパロ(ペルー) +10:17.3
5 A.タルッカン(トルコ) +10:35.4
6 N.ブルウン(ボリビア) +13:15.8
2024年ジュニアWRCポイントランキング
1 R.ユルゲンソン(エストニア) 108
2 N.メイヤー(ルーマニア) 80
3 A.タルッカン(トルコ) 68
4 T.ギル(オーストラリア) 65
5 T.レソネット(ベルギー) 59
6 D.ドミニゲス(パラグアイ) 46