WRCチャンピオン、セバスチャン・ローブは11月のアブダビGPでのF1デビューの可能性を否定しないものの、2010年のフル参戦については「ない」と明言した。
5年連続で世界ラリー選手権タイトルを獲得しているローブは、2009年のF1最終戦、11月のアブダビGPへのF1参戦の可能性があることを示唆している。しかし、F1参戦を継続して行うつもりないと断言している。
今月上旬、スクーデリア・トロロッソのセバスチャン・ブルデーのパフォーマンス不足により契約解除が噂され始めた時、ローブがブルデーに代わるのではないかと言われていた。結果的には、今週末にハンガリーGPでデビューしたハイミ・アルグエルスアリが史上最年少デビューという形でトロロッソをドライブすることになったが、ローブのデビューの可能性も非常に高いと当時見られていた。
ローブの所属するシトロエンは、この噂が出た後にコメント出し、“WRCのシーズンが終わっているならば、F1参戦も可能”とした(下記関連ニュース参照)。09年のWRC最終戦ラリーGBは10月25日がデイ3で、アブダビGPの1週間前となり、条件が整うこととなる。
ローブは昨シーズンオフにバルセロナでのテストに参加した際、レッドブルで8番手タイムをマークするなど非常に高い評価を得ていたことからも、WRCとF1ふたつの世界選手権の掛け持ち参戦への期待も高まってくる。
しかし、そんな盛り上がりとは別に、ローブ自身は2010年の活動はF1ではなくラリーだと主張している。「今の段階では何も決まっていないが、もしアブダビに出られるとしても、次の年のこと(F1参戦)を考えるには遅すぎる」とイギリスのデイリーテレグラフ紙に語っている。「(そのころには)シトロエンとの契約にサインをしているだろうし、すでにWRCのテストも行っているだろうね」。
「僕はシトロエンとの契約を続けたいし、現在行っている交渉はこれだけだ。F1をドライブできたらとてもうれしいけど、参戦できるかどうかは僕にはわからないな」