今週開催されるWRC第11戦ラリーチリ(グラベル)に、ヒョンデはティエリー・ヌービル、オィット・タナックに加え、エサペッカ・ラッピを3台目のヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのドライバーに起用する。前戦アクロポリスで表彰台独占を達成してから2週間、今季唯一の南米ラウンドかつ今季最後のグラベルイベントでヒョンデは選手権リード拡大を狙う。
ドライバーズ選手権リーダーとしてチリを迎えるヌービルは、昨年は2位でフィニッシュしているチリで、できる限りのポイントを獲得してポイント争いでのリードを広げることを目指す。
「ラリーチリは、今季ここまでのグラベルと似ているところもあるが、SSは非常に多彩だ。昨年はここでのドライブを心から楽しめて、さらにポディウムにも上がれた」とヌービル。
「しっかりとトラクションを得られるマシンが必要。特に自分たちは、金曜日は先頭順がトップだからね。でも、チリではパンクのリスクも高いから、よりバンピーなセクションに耐えられることも求められる。週末を通して、トラブルなしでプッシュを続けて、できる限りのポイントを狙っていく。一番のターゲットは、選手権争いで十分なリードを守ること。残り3戦はこの差をコントロールしていくことになるので、その点ではチリは重要。ここで高ポイントを獲得して、いい走りができるという自信を持っているターマック2戦を迎えたい」
タナックは、2019年、2023年とチリでは過去2勝をマークしている。
「前回のチリは、すごく摩耗の激しい道でタイヤマネージメントが大変だったが、マシンにはそれほどハードではなかった。同時に、フィンランドに似て高速区間と低速区間がミックスされていて、ドライバーにはかなり厳しかった」とタナックはチリの難しさを語る。
「すべてが少しずつ盛り込まれているイベントだが、ドライバーのためのラリー。パフォーマンスがすべてだ。経験があるのはいつでも役に立つものだが、新しいチーム、新しいマシンで、昨年の勝利からさらに上を行くのは難しい。チリでは、天候がトリッキーな要素となることがある。特に、難しいコンディションのところがたくさんあるからね。マシンのパフォーマンスは特に優れていなくてはならず、自分たちに自信を与えてもらわなくてはならない。自分たちは全力を尽くす。ここでのターゲットはもちろん優勝だ」
スーパーサンデーでトップに立った8月のフィンランド以来のWRC参戦となるラッピ。チリには過去2回参戦し、ベストリザルトは2019年の総合6位だ。
「チリに向けての準備は整っているという手応えがある。WRCアクロポリスの前にフィンランドでテストを行ったので、かなり最近、マシンに乗っていることがとても重要になった」とラッピ。
「チリの路面はかなり独特。ルーズなグラベルがたくさんあるが、リエゾンがクリーンになり始めると摩耗が激しくなる。このイベントで速いタイムを出すためには、いいセッティングと完璧なペースノートが書かせない。マシンは信頼性とトラクションの高さが求められる。それに、クレストやコーナー、バンクがあるので、道がどう進んでいくのか目で確認するのが大変なこともある。2019年と2023年は天候がものすごく変わったので、1年のこの時期は、いつも以上にウェザークルーに頼る部分が多い。またマシンに乗れることにワクワクしているし、チームのためにたくさんポイントを持ち帰りたいね」