7月19日に決勝が行なわれたパイクスピーク・インターナショナルヒルクライムは、下馬評どおり「モンスタースポーツSX4ヒルクライムスペシャル」を駆る田嶋伸博が4年連続5度のチャンピオンに輝いた。
田嶋は自らのもつコースレコードでもある「10分の壁」を破るべく挑戦を続けてきたが、今年のパイクスは路面状況の悪さが響き、10分15秒368というタイム。記録には届かなかったものの、2位のグロンホルムを大きく引き離す優勝を飾った。
田嶋は自身のウェブサイトで「今回のパイクスを振り返ってみると、1988年の最初の挑戦から21年間が過ぎましたが、その間の経験を活かして素晴らしいレースができたと思います。エンジニア・メカニック・マシンすべてが最高の出来だったと思います。しかし残念ながら天候と自然の猛威にだけは勝てなかった気がします。
10分の壁を破って新記録を樹立したいとの夢は消えていません。来年もチャレンジできるようならば4年連続5度目の『King of The Mountain』の称号に恥じないようなレースを、ディフェンディングチャンピオンとしてしたいと思います」と、早くも来年に向けて意欲は満々のようだ。
一方、初挑戦ながら2位を獲得したマーカス・グロンホルムは11分28秒963というタイム。
「これほどチャレンジングなイベントは初めてだ。フィエスタのハンドリングはバッチリだったし、BFグッドリッチのグリップもとても良かった。ただ、タービンにトラブルが発生して、残り数kmのところでパワーがなくなってしまったんだ。
でも、フィエスタが10分の壁を破るポテンシャルを持っていることは手応えとして感じたし、もし来年もここに戻ってこれるなら、それを証明しなければならないと思っているよ」
グロンホルムのチームメイト、アンドレアス・エリクソンはまたしても2マイルほどでクラッシュを演じてしまった。どうやら走行中にタイヤが外れてしまったようだ。
「ヘコんでいるよ。ハンドリングは良かったんだけど……それにしてもタフな週末だった。これからは気持ちをXゲームに切り替えて、タナー・ファウスト、ブライアン・ディーガン、ケニー・ブラックたちと頑張ってくるよ」と、7月30日から8月2日に向けて開催されるXゲームへの心境を語った。
日本から参戦の哀川翔/奴田原文雄組のフォード・フィエスタは15分34秒808というタイムで見事完走。チーム・ジオランダー、EVバギーを持ち込んだ塙郁夫は14分50秒754でクラス2位を獲得した。