今週開催されるWRC第12戦セントラルヨーロピアンラリー(ターマック)、激戦のマニュファクチャラーズ選手権タイトルを争うヒョンデは、レギュラードライバーのティエリー・ヌービル、オィット・タナックに加え、ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのサードカーのドライバーにアンドレアス・ミケルセンを起用する。チームからミケルセンがWRCに参戦するのは今季4度目。
グラベル7連戦を終え、今季残り2戦となるターマックラウンドに備え、ヌービルはオーストリアのハーベストラリーに準備として参戦。また3クルーは、チェコでイベント前テストを行った。
WRC初開催となった昨年のセントラルヨーロッパでは、キャリア19度目の勝利を飾ったヌービル。ドライバーズ選手権首位で迎える今年は、タイトル争いも見据えてイベント連覇を狙う。
「昨年は、初開催のセントラルヨーロッパで、素晴らしい勝利を収めた。自分たちはターマックが得意であることは分かっていたし、ドイツで優勝できたことは、チームにとっても最高にクールなことだった」とヌービルは振り返る。
「昨年は難しいコンディションだったが、いいパフォーマンスが出せた。今年はステージが変わっているので動画をチェックしたりして、新しいエリアでできるだけいいフィーリングを得られるように勉強しなくてはならない。オーストリアの小さなイベントにテスト参戦するので、リズムをつかんだり、マシンセッティングの作業に費やすつもり。一番の目標は選手権争いをコントロールすることなので、できる限り多くのポイントを獲得していく。もちろん、ここでタイトルを決めたいけど、一番に重点を置くのは、安定した走りをすることだ」
タナックは、Mスポーツ・フォードから参戦した初開催のセントラルヨーロッパは、3位でポディウムに上がっている。
「個人的には、セントラルヨーロッパのようなタイプの道は、ほぼすべてのタイプのターマックを楽しめている。今年も、道の大部分が新しくなるので、面白くなりそうだ」とタナック。
「昨年は、天候がウエットだったので初日はスタート順がすごく重要だった。走行が重なるごとに、道があっという間に汚れていったからね。今年も、必ず天気が重要な要素になる。オーストリアとドイツは道がすごく似ていて、広場の間を走ったりジャンクションが多いが、チェコの道はいつも林道で、舗装が荒れていてカットする場所が多い。今年の道がどんな感じなのかは、レッキが始まるまで分からない。マニュファクチャラーズ選手権は面白い状況になっているので、できる限り多くのポイント獲得してライバルにプレッシャーをかけることを目指す」
昨年は、セントラルヨーロッパでWRC2タイトルを決めたミケルセン。ラリー1マシンで参戦する今回は、トップ5フィニッシュを目指す。
「昨年のセントラルヨーロッパのことは、とてもよく覚えている。ここでWRC2タイトルを決めたんだ」とミケルセン。
「全体としては、道にグラベルや泥がたくさん掻き出される難しいラリー。コンディションも、すごく過酷だ。カットする場所が多いし、ミスもしやすい。自分的には、モンテカルロやクロアチアとは、まったく違うアプローチを取るので、今回のラリーをとても楽しみにしている。今季の序盤は、自分にとってこのマシンはまだ新しかったから、慣れなきゃならないことがたくさんあった。セントラルヨーロッパでは、攻めていいリザルトを収めて、チームが選手権で首位を守れるように貢献することを目指すよ」