ミッコ・ヒルボネンは、先のポーランドでドライバーズランキングトップに立ったが、特にプレッシャーとも感じていないようだ。ヒルボネンはわずか1点ながらセバスチャン・ローブを従えチャンピオンシップをリードしている。
今シーズン、残りは4戦。今月末の第9戦フィンランドを含めグラベル3戦、ターマック1戦だ。ヒルボネンにとっては初の王座獲りに向けて、願ってもない状況で2009年の終盤を迎えることとなる。
クラッシュネットラジオの特別インタビューに答えてくれたヒルボネンは、2連勝して臨むホームイベントの見通しは明るいと自信を見せる。
「ここ数戦でローブをひっくり返して、しかも次はフィンランドだ。まさかこんなにうれしい状況になるとは思っていなかった。流れがいい方向に向かってきた気がするよ。いいかたちで連勝を挙げられたから、変なプレッシャーはないね。ローブとのチャンピオン争いはまた振り出しさ。
フィンランドの観客たちはとても熱心で、いつもたくさんの人が応援に来てくれる。それに家族や友人の前で走れるってことが素晴らしいじゃないか。今からワクワクして仕方ないんだ」
ヒルボネンはこれまでラリーフィンランドに7回出場。3回ポディウムを獲得しているが、優勝はまだない。ヒルボネンにとっては絶好のリベンジのチャンスというわけだ。さらに、ポーランドやギリシャの新ステージでローブが苦労していたことを考えれば、ラリーフィンランド全体の30%が新ステージだということも、ヒルボネンにとって追い風となるだろう。
勝負のカギは、ミッコの手の内にある?
「たぶんね。新ステージとはいっても、全体でみれば2本半くらいのものだよ。そりゃ昨年とは全然違うところだけど、2〜3年前に使ったこともあるんじゃないかな? だから完全に新ステージというわけではないんだ。とはいえ2008年とは様子が違うだろうからね。僕らにとっていい方に転ぶといいけど」
今シーズン、ローブが開幕5連勝を成し遂げ、ヒルボネンは完全に出遅れた感があった。しかしシーズンの流れは、サルディニアから完全に変わっている。
「今シーズンはしょっぱなから難しい戦いばかりだった。セバスチャンがすべてのラリーでトップに立ち、僕はいつも2番。そんなのもちろん計画どおりじゃなかったけど、またこうしてセバスチャンに近づき、追い越すことができた。
僕らはサルディニアでいいテストができていたし、ヤリ‐マティと僕はサルディニアからこっち、勝ち続けている。マシンのフィーリングもカンペキだしね。
僕はもう昨年の僕じゃない。自信を持ってこの状況に立ち向かうことができる。昨年と同じ轍は踏まないさ。
振り出しに戻ったチャンピオンシップで重要なことは、残りの4戦にとにかく集中していくことだ。僕とセバスチャンの条件はほぼイーブンだ。ウデも、マシンもね。
残るグラベルラリー、つまりフィンランド、オーストラリア、GBのステージはどこも高速で、3つとも僕が好きなラリーだ。自信はあるよ。
ここまで2勝したけど、どっちともセバスチャンがミスしたからだ。タイトルを獲るには少なくとも2回、真っ向勝負で彼を負かさないとね。今ならやれる気がするんだ」とヒルボネンは締めくくった。
王座は直接対決を制して勝ち獲る──自信を持ってチャンピオンシップをリードするヒルボネンのホームイベントは7月31日からフィンランド・ユバスキラで幕を開ける。