WRC第12戦セントラルヨーロピアンラリー(ドイツ/チェコ/オーストリア、ターマック)、WRC2はニコライ・グリアジン(シトロエンC3ラリー2)が優勝を飾った。一方、チームメイトのヨアン・ロッセルはノーポイントに終わったことから、タイトルチャンスが消滅した。
選手権2番手でセントラルヨーロッパを迎えたロッセルは、タイトルのためには優勝するしかないという状況だった。しかし、ロッセルのラリーは序盤から歯車が噛みあわず、チェコで行われた木曜日にはホイールが破損。さらに金曜日も精彩を欠いた走りでこの日を終えて5番手に留まった。さらに土曜日のSS9ではコースオフを喫してリヤサスペンションを破損。自力で修復したものの14分の遅れを喫し、タイトルは絶望的となった。
これでタイトルに可能性を残すのはソルベルグとパヤリだけとなった。今季のWRC2はノミネートした7戦中、ベスト6戦分のポイント合計で争われるが、ソルベルグはドライバーズ選手権にノミネートした7戦をすでに消化。セントラルヨーロッパはチームズ選手権のみノミネートしての参戦で、パヤリはトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドでの参戦だった。現在、ソルベルグとパヤリのポイント差は18となっており、パヤリがジャパンのWRC2を3位以上でフィニッシュすればタイトルを獲得することになる。
セントラルヨーロッパで圧倒的な強さを披露したのは、グリアジン。SS2で首位に立つと、土曜日までに2番手のフィリップ・マレス(トヨタGRヤリス・ラリー2)との差を1分50秒8までに広げ最終日を迎えると、最終日も4SS中3本でベストタイムをマークし、最終的に2分半近くの大差をつけて勝利を飾った。グリアジンはWRC2チャレンジャーでもトップフィニッシュを果たしており、タイトルは最終戦ジャパンに持ち越されている。
3位争いはカエタン・カエタノビッチとミコ・マルチェク(いずれもファビアRSラリー2)が激戦を展開したが、9.7秒差でマルチェクがカエタノビッチを退けた。ジョシュ・マクリーン(ファビアRSラリー2)が5位、地元ドイツのマリヤン・グリーベル(ファビアRSラリー2)が6位フィニッシュを果たした。
WRCマスターズカップでは、2024年のタイトルを決めている地元ドイツのアルミン・クレマー(ファビアRSラリー2)が、イーモン・ボランド(ファビアRSラリー2)に10分以上の大差をつけて圧勝。WRC3はマッテオ・シャティロン(ルノー・クリオ・ラリー3)がトップフィニッシュを飾った。
WRCセントラルヨーロッパ WRC2部門最終結果
1 N.グリアジン(シトロエンC3ラリー2) 2:46:52.2
2 F.マレス(トヨタGRヤリス・ラリー2) +2:23.9
3 M.マルチェク(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:53.0
4 K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +3:02.7
5 J.マクリーン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +3:13.0
6 M.グリーベル(シュコダ・ファビアRSラリー2) +3:37.4
7 M.ポッティ(シトロエンC3ラリー2) +6:56.3
8 A.クレマー(シュコダ・ファビアRSラリー2) +7:19.1