ランチアがラリー界に戻ってくる、として話題のランチア・イプシロン・ラリー4HFについて、ランチアがステランティス・モータースポーツ・レーシングショップを通じて受注を開始した。価格は7万4500ユーロ(約1225万円)。
ランチアは10月25日、イタリアのバロッコサーキットでランチアのブランドがラリーに復帰することを記念してのメディアドライブを開催した。バロッコは、モータースポーツの革新と高性能モデルのファインチューニングを行うことで活用される有名なテストコースで、数週間前にはステランティスのCEOでベテランドライバーのカルロス・タバレスがイプシロン・ラリー4HFのテストを行った。
ランチアのCEO、ルカ・ナポリターノは「2025年、ランチアはモータースポーツへの復帰を果たし、現代のモータースポーツ競技において再び存在感を示すことを目指す」とコメント。
「伝統と革新が混在するランチアは、情熱と野心をもって未来を見つめている。2026年には、ステランティスのメルフィ工場で生産されるフラッグシップモデル『ガンマ』の年と位置づけていることから、2025年は、まずイプシロンを登場させ、その後ガンマと新デルタに「HFインテグラーレ」のラベルを付けていく。HFは、20年にわたってラリー界を席巻し、WRCではドライバーズとコンストラクターズで合計15回、タイトルを獲得した伝説的なストラトス、037、デルタを思い出さずにはいられない。この記録は、いまだに破られてはいない。我々は常にモータースポーツとラリーのリーダーであり続けてきたが、今、我々を際立たせるトレードマークであるエレガンスとシンプルさとともに、これまでの情熱とプライドを、明日のプロドライバーのための育成カテゴリーであるラリー4に復帰することでつなげていく」
1988年、1989年にマルティニ・レーシングのランチア・デルタ・インテグラーレでWRCを連覇したミキ・ビアジオンがファインチューニングに深く関わったイプシロン・ラリー4 HFは、2025年1月1日にFIA公認取得、1月末には最初の供給が見込まれている。ランチアはイプシロン・ラリー4HFのデビューとともに、イタリアラリー選手権の6戦で構成される「トロフェオ・ランチア・ラリー」を立ち上げ、総額30万ユーロの賞金を準備する。チャンピオンには、2026年のERCに、ランチア・コルセHFチームのワークスカーとなるイプシロン・ラリー4HFで参戦するチャンスが与えられる。
トロフェオ・ランチア・ラリーは、ジュニア(25歳未満)、マスター(25歳〜35歳未満)、エキスパート(35歳以上)と世代を区分。登録料は2500ユーロで、ランチアのテクニカルレースギアがすべて含まれ、ラリーイベントではホスピタリティ、サービスパークでのスペアパーツサービスを用意するほか、コルセ・ランチアチームがPRを担当する。