2024年のアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)はタイトル決戦となるファイナルイベント、インターナショナル・ラリーオブワンガレイが11月8日〜10日、ニュージーランドの北島で開催され、ラリーを制したヘイデン・パッドン(ヒョンデi20Nラリー2)がタイトルを獲得した。パッドンはERCでも連覇を果たしており、2年連続でふたつの地域選手権を制した。
ラリーには、2日間にわたりWRCでも知られた北島特有のキャンバーがついた高速リズミカルなステージが18SS・237kmで設定された。南半球の初夏にあたるこの時期、天候はドライとなったが、日曜日には局所的な雨にも見舞われ、多彩なコンディションとなった。エントリーリストには4か国から11チームが名を連ねたが、完走は9台。土曜日のSS3ではロビー・ストークス(フォード・フィエスタAP4)がコースオフを喫し、TGR WRCラリーチャレンジプログラムの4期生選考でファイナリストに選ばれたジール・ジョーンズ(シュコダ・ファビアR5)は、ジュニアタイトルを目指して挑んだが日曜日のSS12の後にギヤボックスで戦線を離脱した。
一方、パッドンは、イベントに設定された全18SSすべてをベストタイムで並べる圧勝を飾った。
「タフなイベントで素晴らしいリザルトを収めることができた」とパッドン。
「ドライコンディションだったので予想どおりタイヤにすごくハードだったから、とにかくクリーンに自分たちのペースで走り、できる限り楽しむことに徹した。これも、チームのみんなのおかげ。マシンの信頼性と彼らの素晴らしい働きは言うことなしだった。このリザルトを心から誇りに思う」
2位にはニュージーランド選手権のライバルでもあるベン・ハント(シュコダ・ファビア・ラリー2)、3位にはエマ・ギルモア(シトロエンC3ラリー2)が入った。
2位のハントは「パッドンに上に行かれたら、言うことない。彼は世界クラスのドライバーで、常にマシンに乗っている。自分たちが1年に出るラリーは5、6戦だからね。自分たちとしては素晴らしいリザルト。最高の週末だった」とパッドンを讃えた。
3位のギルモアも「すごく、すごくハッピー。タフで長いイベントだったし、暑さでさらにチャレンジングになった。素晴らしい週末になったし、APRCで3位に入れたのは最高の結果」と喜びを語った。
パッドン、ハント、ギルモアには、APRCワーキンググループからそれぞれ、5000NZドル、3000NZドル、2000NZドルの賞金が贈られた。
APRCジュニアカップは、ジャック・ホークスウッド(トヨタ・ヤリスAP4)が獲得。コ・ドライバーのジェイソン・ファーマーとともに、パシフィックカップも手にした。2WDタイトルは、ティム・マッカーシー(フォード・フィエスタ・ラリー4)が獲得した。
また日本のAPRCカップイベント、モントレーに参戦してファイナル参戦権を得た高橋冬彦は、自身が初めてドライブするフォード・フィエスタ・ラリー4で参戦し、7位でのフィニッシュを果たした。
2024年APRCファイナル 最終結果
1 H.パッドン/J.ハドソン(ヒョンデI20Nラリー2) 2:24:49.8
2 B.ハント/T.ローストーン(シュコダ・ファビア・ラリー2) +4:42.1
3 E.ギルモア/M.リード(シトロエンC3ラリー2) +7:20.0
4 M.ヤング/A.ハドソン(トヨタ・ヤリスAP4) +15:11.3
5 T.マッカーシー/L.マッカーシー(フォード・フィエスタ・ラリー4) +20:27.5
6 J.ホークスウッド/J.ファーマー(トヨタGRヤリスAP4) +35:49.1
7 高橋冬彦/高橋研(フォード・フィエスタ・ラリー4) +38:12.8
8 N.プリギリア/S.トーマス(プロトン・サトリア) +51:34.0
9 H .リハンス・バリザ/M.ファレジ・ファド(フォード・フィエスタR5) +1:01:17.2