カルロス・サインツがブラジルで行なわれた6月23日〜7月3日にかけて開催されたクロスカントリラリー、“ラリー・ド・セルトンエス”で勝利を収めた。
2010年のダカールラリーに向けての準備が着々と進行しているということだろう。
サインツはこのラリーに新しいコ・ドライバー、ルーカス・クルツ・センラを迎えて臨んだ。2位にはいったのはチームメイトのナッサー・アル‐アティヤ。
1分4.9秒差という1-2フィニッシュだけでなく、10本のステージすべてで勝利を収め、総走行距離5000km以上にわたるこのイベントを完全に支配した。
ラリー終了後にサインツは「この勝利は非常ににうれしい。ナッサーとやりあっての勝利だからなおさらだね。セルトンエスは思ったよりもずっとチャレンジングだった。スペシャルステージは気が遠くなるほど長く、非常に高度なテクニックを要求される。路面は常に変化し続け、集中力を保っていなければならない。
僕ら新しいコンビにとってはお互いちょうどいい“馴らし”になったと思う。この経験を次戦以降につなげていきたいね。手強いチームメイトにも勝てたし、最高だよ」と語った。
そのチームメイト、アル‐アティヤは初めてのトゥアレグ2での実戦にもかかわらず4つのステージで最速タイムをたたき出す活躍を見せた。
「フォルクスワーゲンでの初めてのラリーだったけど、この結果にはとても満足している。チームワークは言うに及ばず、それぞれのスタッフがそれぞれの仕事に誇りを持って働いていることが感じられた。もてるすべてを駆使して勝利に向かっていく、プロフェッショナルの集団といっていい。こんなに素晴らしいデビューを飾ることができたのもひとえに支えてくれた彼らのおかげだ。本当に感謝している。
それにコ・ドライバーのティモ・ゴットシャルクにもね。僕らは完璧といっていいスタートを切れた。これならダカールで勝つことだって夢じゃないと確信したよ」
フォルクスワーゲンのモータースポーツ活動を統括するクリス・ニッセンはこの結果に満足したようだ。
「もし100点満点中どのくらいかと聞かれたらクルー全員に100点満点だね。この1-2フィニッシュは等しくチームとドライバーのものだ。まるでダカールラリー本番のように、皆の動きはカンペキだった。カルロスとナッサー、ルーカスとティモという強力なドライバー陣は今後に向けて非常に頼もしい働きをしてくれたと思っている。ふたりとも勝ちを狙えるドライバーだし、ほんの数分が勝敗を分けることにもなるはずだ」
2010年のダカールラリーは、1月1日にブエノス・アイレスをスタートし。総走行距離8600km、スペシャルステージ5200kmで争われる。ブエノス・アイレスをスタート後、北上。アンデスを越え、チリのアタカマ砂漠で5日間の砂丘ステージを行なう。