ヒョンデ・モータースポーツ・カスタマーレーシングは、アップグレード版のラリー2マシン、ヒョンデi20Nラリー2ステップ2を、11月22日〜24日に開催されたフランスターマックラリー選手権最終戦ラリー・デュ・バールで、0カーとして走らせた。このマシンが一般に走りを披露したのは、これが初めて。ドライバーは、今季のポルトガルラリー選手権にヒョンデ・ポルトガルの支援を受けてヒョンデi20Nラリー2で参戦してタイトルを獲得したクリス・ミークが務めた。
シーズンを通してヒョンデのラリー2マシンで参戦してきたミークにとって、このラリー・デュ・バールはアップデートされた最新型のマシンを試す絶好の機会となった。ヒョンデ・モータースポーツ・カスタマーレーシングは、この何カ月、ヨーロッパの各地でステップ2のテストを行ってきた。
初めてステップ2のステアリングを握る機会となったミークからは、現行バージョンよりも性能とハンドリングが向上していると、即座にポジティブなフィードバックが返ってきたという。
ミークがラリー・デュ・バールのステージを走行するのは初めてで、さらに0カーでの走行だったが、ステージのタイムは経験豊富な選手権常連クルーにも相当かそれ以上だったといい、アップデート版のさらなるポテンシャルを示すものとなった。
アップデート版のi20Nラリー2ステップ2では、フロント/リヤサスペンション・キネマティクス、電子制御ターボ・ウエストゲート、エンジンマネージメントソフトウェアとギヤ比、デファレンシャルセッティングなどのパーツが改良されており、2021年のデビュー以来、i20Nラリー2としては最も大きなアップグレードパッケージとなっている。
今回のアップグレードは、2025年シーズンの開幕に向けてカスタマー・レーシング部門が利用できるジョーカーを活用したもので、綿密なプロセスを経て改良が可能な主要部分を特定した後、改良部分を徹底的にテストを行い確定された。開発プロセスでは、WRCワークスドライバーのアンドレアス・ミケルセンやダニ・ソルドのほか、今季はi20Nラリー2でERCとAPRCのダブルタイトルを獲得したヘイデン・パッドン、エリック・カミリ、ロック・タルクなど幅広いドライバーがテストに参加した。
ミークからのポジティブな評価を受けて、カスタマーレーシング部門の仕事は取り組みを継続し、2024年末までにi20Nラリー2ステップ2の走り込みをさらに進める予定だ。
アップグレード版のパーツは2025年1月に公認取得を予定しており、その後すぐにアップグレードパーツを装着した最初のマシンが供給される。さらに、既存のカスタマー向けにステップ2仕様へのアップデートを可能にするキットとしても提供される。
ヒョンデ・モータースポーツ・カスタマー・レーシングのマネージャー、ブノワ・ノジェは「ヒョンデi20Nラリー2ステップ2は、2021年のデビュー以来、我々が提供する最大のアップグレード。当然、これほど大規模な新開発のパッケージには、適切にプロセスを進めなければならないというプレッシャーがある」とコメント。
「ラリー・デュ・バールをステップ2版で走行したクリス・ミークからは、好意的なフィードバックを聞くことができた。彼は、我々がジョーカーを使ってターゲットとした主要な部分のすべてで、マシンが一歩前進していることを確認したと評価しており、フランスターマックラリー選手権の常連選手と比較したステージタイムでもそのことが示された。2025年1月のホモロゲーション取得までにもまだテストを予定しており、細かい調整を続けていく」