オーストラリアラリー選手権(ARC)最終戦ラリータスマニア(グラベル)が11月22日〜24日に開催され、トヨタ・ガズーレーシング・オーストラリア(TGRA)のハリー・ベイツ(トヨタGRヤリス・ラリー2)が優勝を飾り、2024年のタイトル獲得を決めた。
ハリー・ベイツは、タスマニアの北の沿岸部、バーニー周辺に設定されたダスティなコンディションのグラベルステージで、デイ1から快走。スコット・ペダー/グレン・マクニールがラジエターのダメージでリタイアを喫する一方で、ハリーはSS4、SS6、SS7を制して、24.8秒差を築いてこの日を折り返した。翌日曜日は、ハリーのチームメイトであり弟でもあるルイス・ベイツとアンソニー・マクローリンが最初の3SSをベストタイムで並べると最終パワーステージも制して、ハリーとの差を詰めたが、13秒勝利には及ばず、選手権2位もわずかに届かなかった。そのルイスも今季は安定してポディウムフィニッシュを重ねており、選手権3位でシーズンを終えた。またTGRAがタスマニアで1‐2フィニッシュを果たしたことで、トヨタが7度目のマニュファクチャラーズタイトル獲得を決めた。
トヨタ・オーストラリアのチームマーケティングオフィサー、ビン・ナイドゥーは「今季は、ハリーとコーラルがGRヤリス・ラリー2での参戦をスタートし、地元のキャンベラで優勝を飾るなど申し分のないシーズンとなった。GRヤリスAP4での参戦を継続したルイスとアンソニーも、ダブルポディウムを決めるなど貢献してくれた」と語る。
「この素晴らしい成果には、マシンももちろん一翼を担っているが、TGRAラリーチーム全体の献身、技術、そして情熱的なコミットメントがこの成功を支えていることを誇りに思う。2025年、またステージに戻る日が待ち切れない」
ハリーのドライバーズタイトルは、2019年、2023年に続いて3度目。テイラーは、1993年〜95年、2008年、2023年に続いて6度目となる。うち4度は、ベイツ兄弟の父でチームマネージャーのニール・ベイツと組んで収めた成果だ。
ハリーは「最高のシーズンだった。チーム全体の働きは素晴らしく、ここまで来られたのはまさにチームの努力の結晶。ドライバーズ、コ・ドライバーズ、マニュファクチャラーズのタイトルを獲得できたのは本当にうれしいし、ニール・ベイツ・モータースポーツのみんなのシーズンを通しての努力には感謝している」
ルイス・ベイツは「パワーステージを獲ることができて、最高の週末になった。最終的な自分たちの目標は選手権2位とマニュファクチャラーズ選手権を制することだった。マニュファクチャラーズタイトルは獲れたが、自分は選手権3位で終えることになった。そのことはもちろん少し残念だが、全体的には本当に強く戦えた週末だったし、クイーンズランドで大クラッシュを喫したので、シーズン後半の内容にはとても満足している」と今季を振り返った。
ニール・ベイツは「ドライバーズ選手権とマニュファクチャラーズ選手権を制することができて、信じられないほどハッピー。ハリーとコーラルは今年、素晴らしい仕事をしてくれたし、ルイスとアンソニーも、クイーンズランドでのアクシデントから見事に復活を果たして、選手権2位もわずか1ポイント差だったので、信じられない活躍を収めてくれた。チームとして、クルーからチームのひとりひとりをこれ以上ないほど誇らしく思う」
2025年のオーストラリア選手権は全6戦のカレンダーが発表されており、開幕戦は3月21日〜23日、ベイツ一家の地元でのラリーオブキャンベラとなる。
2024年ARCポイントランキング
1位:ハリー・ベイツ/コーラル・テイラー 504
2位:エディー・マグワイア/ザック・ブレイキー 397
3位:ルイス・ベイツ/アンソニー・マクローリン 396
4位:スコット・ペダー/グレン・マクニール 290
5位:アレックス・ルロ/スティーブ・グレニー 285