FIAは12月5日、ロードスポーツ部門の再編と戦略的ビジョンを発表。このなかで、FIAラリー委員長とともにFIAロードスポーツディレクターを務めてきたアンドリュー・ウィートリーがFIAを離脱することが明かされた。この電撃的な決断についてウィートリーは「5年間FIAに在籍したことで、将来に向けて非常に強固な基盤を築くことができたと考えている」と語っている。
ウィートリーは、MスポーツでWRC部門のマネージャーを務めた後、FIAに加入し、FIAロードスポーツディレクターにまで上り詰めたFIAラリー部門のキーマン。11月に開催されたWRCラリージャパンにも訪れていた。しかしFIAの「ロードスポーツ部門の大規模な再編成と新たな戦略的ビジョン」の一環として、FIAを去ることとなった。
ウィートリーは「FIAチームの一員として働き、同僚だけでなく、競技者たちの革新性、創意工夫、勇気、そしてプロモーターたちの信じられないほどの献身的な努力を目の当たりにできたことは、光栄であり、勉強になった」と語る。
「また、ベントのサポート、大会の運営に精力的に取り組み、イベントの会期中や会期外でもファンに親しみやすい競技にするためにチャレンジに挑む世界中のイベントの主催者や、何十万人ものボランティアにも敬意を表したい。ラリーやオフロードの環境で現在行われている作業が、将来に向けて非常に強力な土台を作ると確信している」
ウィートリーのもとで副代表を務めてきたエストニア出身のエミリア・アベルは、今回の改変でジュニア・ロード・スポーツのディレクターとなる。 FIAによると、今後アベルが指導を受けるのは、元ジャーナリストでFIA会長のモハメド・ビン・スライエムのF1に関する特別アドバイザーとしてFIAに加わったディーター・レンケンだという。アベルとレンケンは、ロードスポーツ部門のエグゼクティブ・アドバイザーとなり、先日、FIAのゼネラル・マネージャーに任命されたアルベルト・ビジャレアルに報告を行う立場となる。
FIAの発表では「新たな方向性は、WRC、世界ラリークロス、世界ラリーレイドに導入される技術革新と一致する。世界選手権に焦点を当てるだけでなく、同部門はスポーツ開発部門と協力し、(ラリーの)サポートカテゴリーや価格を抑えたアフォーダブル・クロスカー競技などグラスルーツ競技の取り組みを通じ、モータースポーツへの参加者を倍増させるというFIAのビジョンにもさらに焦点を当てていく」としている。
(Graham Lister)