ダカール2025 ステージ11:激戦を制してマティアス・エクストロームがステージウイン。総合順位も僅差で最終日へ – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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ダカール2025 ステージ11:激戦を制してマティアス・エクストロームがステージウイン。総合順位も僅差で最終日へ

©RED BULL

ダカールラリー2025は1月15日、シュバイタ~シュバイタ間に設定されたステージ11(321㎞)の走行が行われた。終盤の山場となるこの日は、濃霧のためにスタートが遅れた後、エンプティ・クォーター砂漠の巨大な砂丘の上を何百㎞も走ることとなった過酷な一日。今年の大会もフィニッシュが近づき、この数日は総合首位が何度も入れ替わる激しい戦いが続いている。

ラスト2本前のこのステージでは、Mスポーツ・フォードのマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)とプロドライブが走らせるナッサー・アル‐アティヤ(ダチア・サンドライダー)が、激しいトップタイム争いを展開。最終的に、わずか41秒差でエクストロームがステージウインを奪取した。

「ステージの間、ずっとプッシュしていた。この2週間、本当にコンペティティブで、タフな試練がたくさん続いていた」と語るエクストロームは、これにより総合3番手の座をキープ。2番手となっているヘンク・ラテガン(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO)まで15分、首位に立つヤジード・アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス)まで22分半となっている。ラテガンとアル-ラジは、ステージ9から首位攻防を繰り広げ、その差6分で最終日を迎える。

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この日は2番手タイムとなったアル‐アティヤは、エクストロームに4分遅れの4番手タイム。6度目のダカール制覇を狙うチャンスは、あと1ステージとなり、形勢逆転はかなり厳しい状況となってきた。
「最初から難しいステージだった。パンクが2回あったので、タイムロスした。その後は、またプッシュを狙った。今日は大きなトラブルは一切なかったし、マシンの動きもとても良かった」とアル‐アティヤ。

RED BULL

アルティメイトクラス初挑戦のミッチ・ガスリーJr.(フォード・ラプター)は、走行を楽しむことを続けており、この日は4番手タイム。総合順位でも5番手を維持して最終日を迎える。
「ナビゲートが大変な場所があったり、砂丘を越えなくてはならない場所もあった。走り続けて何台かパスもしったので、いい仕事ができた手応えはあるよ」とガスリーJr.は満足を見せる。

TGRのセス・キンテロ(GRダカール・ハイラックスEVO)はメカニカルトラブルに見舞われ、総合では順位をひとつ落として9番手となった。
「中盤でダンパーを失い、油圧ジャッキの問題にも見舞われた。これで順位がひとつ下がってしまった。ずっと8番手を維持してきたのに、悔しいね」とキンテロ。悪名高いエンプティ・クオーターの砂漠では、ルーカス・モラエス(GRダカール・ハイラックスEVO)、クリスティーナ・グティエレス(サンドライダー)、ナニ・ロマ(ラプター)もこの日は厳しい一日を過ごした。

大会は1月17日、いよいよ最終ステージを迎える。この日は、シュバイタ~シュバイタをループする134kmが設定されている。

ダカール2025暫定リザルト(ステージ11終了時点)
1 Y.アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス) 51:53:36
2 H.ラテガン(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO) +6:11
3 M.エクストローム(フォード・ラプター) +22:34
4 N.アル‐アティヤ(ダチア・サンドライダー) +26:50
5 M.ガスリーJr.(フォード・ラプター) +59:26
6 M.セラドーリ(センチュリーCR6) +1:10:08
7 J-C.ヤコピーニ(トヨタ・ハイラックス) +1:58:13
8 J.フェレイラ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークスラリー) +2:15:59


大会最後の難関となるこのステージでは、ランドクルーザー300GRスポーツをベースとしたラリーカーで市販車部門(FIAストッククラス)を戦うチームランドクルーザー・トヨタオートボデーの三浦昂/ジャン・ミッシェル・ポラト組の500号車が部門トップタイムで無事にステージを走破した一方、ロナルド・バソ/ジャン・ピエール・ギャルサン組の501号車は前日に見舞われた駆動系トラブルを修復して順調に走り出したものの、過酷な砂丘に越えられるルートを見つけ出すことに時間がかかり大幅に遅れたものの、ビバークには到着。500号車、501号車が部門1‐2で、最終日を迎える。
三浦は「昨年よりも砂がはるかに柔らかく、砂丘を越えるのはめちゃくちゃ難しかったです。経験が糧になりましたし、ポラトにサポートしてもらって助かりました。最終日も気を抜かず、しっかり走り切りたいと思います」とこの日の難しさを語っている。

HINO600シリーズでトラック部門に参戦する日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組は、ステージフィニッシュまで20kmという地点でトランスファーのトラブルが再発。砂丘の上で亀の子状態となってしまった。自力で走行に戻ったが、ステージ走行の制限時間を超えたことでペナルティタイムを受け、ステージタイムとしては部門15番手。累積順位は14番手となっているが、舗装のリエゾン上でストップし救援を待っている状況だ。



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