今週開催される2025年WRC開幕戦ラリーモンテカルロ(アイス&ターマック)にヒョンデは、新王者のティエリー・ヌービル、オィット・タナックに加え、チーム新加入のアドリアン・フルモーを加えた3台のヒョンデi20Nラリー1をエントリーする。
WRC王者として新シーズンを迎えるヌービルは、自身のタイトル連覇はもちろん、昨年あと一歩で逃したマニュファクチャラーズタイトル獲得のためにも、好発進を決める構え。
「2度がなければ3度目はやってこないし、もちろん3度目のモンテ優勝をしたいが、勝つのが難しいイベントでもある」とヌービル。
「いつものモンテの難しさに加え、新しいタイヤという試練もあるので、このコンディションでテストをしたことがないから、たくさんサプライズが起こるだろう。限界で攻めるまでには一歩一歩、進んでいかなくてはならない。現状は、ここ数年よりも冬らしいコンディションになると予想しているのでさらにチャレンジングになるが、モンテのコンディションはどうなるか保証できないからね。一番の目標はいつもフィニッシュすることだけど、終盤になって上位争いをしていたら、もちろんさらにプッシュするよ」
タナックのモンテカルロでの自己ベストは2位。もちろん、選手権伝統の一戦での初優勝は悲願だ。
「今年は新しいセクションがたくさんあるので、今回も予想するのは難しい」とタナック。
「モンテはいつも予測不能なので、準備するのが難しい。天気が一番鍵になるから、週末を通してどのようになってもいいように準備しなくてはならない。一番の懸念はタイヤで、ラリーでの要素としてかなり大きい存在。みんな、どうなるかサッパリ分からないので、かなり興味深いことになると思う。トリッキーなイベントで、ポディウムに上がったことはあるが、優勝に手が届いたことがない。独特なイベントで長い歴史があるので、ここで勝てたら本当にうれしい。いつも目指しているので、ここのトロフィーがもらえたら特別な場所に飾るよ」
ヒョンデからの初参戦に臨むフルモーは、貴重なマニュファクチャラーズポイント獲得が期待される。
「初めて参戦したWRCイベントはラリーモンテカルロだったし、初めて選手権ポイントを獲得することもできたので、いい思い出のあるラリー」とフランス出身のフルモー。
「コンディションが独特なので、シーズンで一番難しいラリー。ここでのフィーリングを表現するのは難しくて、本当に特別な存在だ。チームと一丸となって、何のタイヤを使ったらいいのか、模索してきた。ステージ単位ではなく、ループとして一番速く走れるのはどれなのか、ということも検討した。自分的にモンテで目指すのは、マニュファクチャラーズ選手権のためにチームにできる限り貢献することだが、自分の選手権の滑り出しとしてもポイントを獲得するために、丁寧なスタートが必要であることも承知している。ステージの多くがフランスを走るから自分にとってはホームイベントのようなものなので、ここでいい結果を出すことは自分にとって大きな意味を持つんだ」