WRCラリーモンテカルロ(スノー&ターマック)、木曜日終了後の各ドライバーからのコメント(抜粋)。ハイブリッドがなくなったラリー1マシン、新しいタイヤという、この上なくチャレンジングな初日。初めてディフェンディングチャンピオンとして開幕戦に臨んだヒョンデのティエリー・ヌービルをはじめ、ほとんどのドライバーが経験値の少ない状況で挑む難関ターマック戦の難しさを語った。
*カッコ内は順位の前日比
[ヒョンデ・モータースポーツ]
ヒョンデi20Nラリー1
ティエリー・ヌービル/総合首位
「もちろんいい滑り出しだったが、チャレンジングだった。最初のステージはドライ寄りのコンディションでタイヤの使い方を模索しなくてはならなかったので、そこでどれだけプッシュできるのか、どこが限界なのか分からなかった。楽ではなかったが、徐々にリズムを上げ、よりドライブしやすくなり、セッティング変更も行ったので、ステップバイステップでいい方向に向かっている。SS2は、視界が悪かった。自分史上、最悪の視界だった。雰囲気は最高だったが、おかげでドライビングはすごくチャレンジングになった。3本目の序盤はすごくマディで、アイスもあったが、終盤に向けてグラベルがたくさん出ていてまったくラインがなかったので、グラベルラリーで砂利を掃除しているような感じだった。最悪だったし、2kmで5秒近くロスした。明日はまた新しい一日で、格段に長くなるし、まだ先は長い」
オィット・タナック/総合4番手
「今日は、予想以上に厄介だった。最初のステージはターマックが多かったが、どんどんマディで汚れていった。2本目も同じで、少しはクリーンだったが、アイスがあってビックリする場所も合った。最後のステージは霜も降りてきて、あまり見えない場所もあった。サプライズは楽しめるものではないので、あちこちで慎重になり始めた。コーナーのたびに変わるようなコンディションなので差が大きく、情報も限定的なのでリスクを負うのは難しかった。トリッキーだったし、たぶん自分は好きではないコンディションだったから、全力を出すのは大変だった。これ以上、コンディションが安定するとは思えないので、明日の朝、気温が低いとさらにリスクが高くなる。マシンの自信をもっと高めなくてはならないが、どんな可能性も残っている」
アドリアン・フルモー/総合5番手
「この夜の内容には満足しているが、最後のステージは少しモヤモヤが残る。ステージ前にタイヤを変えたのだが、残念ながらうまくいかず、かなりタイムをロスした。モンテカルロだからね、タイヤチョイスが重要になるとはスタート前から話していたことだ。何本かスノータイヤを使ってうまく行っていると思っていたのだけど、タイムがそうではないことを物語っている。モンテカルロでは、ペースがすべて。クリーンなステージやステージの一部でプッシュできるのならプッシュしなくてはならない。このラリーのこういったコンディションでのドライビングは本当にトリッキーだし、いい走りをするにはクルマと一体にならなくてはいけないし、自分はいい週末にしたい。いいタイムを出す必要があるが、チームにいいリザルトを持ち帰るためにプッシュするよ」
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
トヨタGRヤリス・ラリー1
エルフィン・エバンス/総合2番手
「今晩はいわゆるラリーモンテカルロらしいスタートだった。簡単ではなかったが、それはみんな同じ。最後のステージはノートクルーが走ってから数時間が経っていたが、路面が凍っていたところもあった。ノートクルーの仕事は良かったが、自分たちが走った時にもいくつか気付くことがあり、簡単ではなかった。もちろんチャレンジングだったが、なんとか乗り越えることができたのでハッピー。夜になってからどんどん寒くなってきているし、明日の朝、どんなコンディションになっているのか、注視しなくてはならない」
セバスチャン・オジエ/総合3番手
「今夜は完璧に近いスタートを切れたはずだった。最初の2本は良かったが、残念ながら最後のステージでミスをしてタイムをロスしてしまった。路面にグラベルがたくさん出ていて驚いたが、運良く切り抜けられた。まだトップからそれほど大きく離れているわけではないので、もちろん明日もトライを続ける。今晩はかなり冷え込みそうだし、路面には霜や凍結している部分もあると思うので、明日の朝のコンディションは、簡単なものにはならないだろう」
カッレ・ロバンペラ/総合6番手
「かなり難しい滑り出しになった。自分が期待していたようなペースで走れなかったので、原因を探らなくてはならない。新しいタイヤでの事前テストでは、今晩のような路面に雪や氷がないコンディションで走ることができなかったし、自分のドライビングスタイルにもあまり合っていなかったようだ。だから、もクルマとタイヤをもっと上手く使いこなす方法を見つけなくてはならない。このラリーではこれまでも対応できたので、今回もそうであってほしいね」
勝田貴元/総合8番手
*マニュファクチャラーズ選手圏外
「ラリー・モンテカルロの木曜日の夜はいつだってエキサイティングです。今晩はトリッキーなステージが続き、予想以上に多くの泥や土が路面に掻き出されていた難しいコンディションでした。また、スタート直後からクルマに小さな問題が発生していましたが、明日に向けてチームが問題を解決してくれるはずです。まだまだ先は長く、トリッキーなステージ、そしてコンディションが自分たちを待ち構えています」
サミ・パヤリ/総合9番手
「すごくトリッキーなコンディションで、最後のステージは路面がかなり凍っていた。でも、モンテカルロはいつもこんな感じ。多かれ少なかれ、自分たちが想定していたとおりだ。今夜はクルマを壊すことなく夜のステージを走り終えたかったし、このようなコンディションで走りのリズムをつかむのは簡単にはいかない。もっとプッシュすることもできたはずだが、あるコーナーがトリッキーだったら、次のコーナーでも慎重に行かざるを得ない。学びがすべて。明日どうなるのか楽しみだよ 」
[Mスポーツ・フォードWRT]
フォード・プーマ・ラリー1
グレゴワール・ミュンステール/総合7番手
「本当にトリッキーだった。自分たちの走行順を考えれば、SS3で4番手タイムは心から満足できる。こういったコンディションはすごく好きなんだけど、あまり良くなかった。タイヤがあまり残っていなかったから、全部なくなったらすべて水の泡になっちゃうというストレスがあったからね」
(SS3後のコメント)
ジョシュア・マカリアン/総合12番手
「難しい。学ぶことがたくさんある。みんなが家で見ているので、大変な試験だ。この2週間はとてもエキサイティングで、大きなステップを踏んだし、やることが山積み。あしたも頑張るよ」
(SS3後のコメント)