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【速報】WRCモンテカルロ:セバスチャン・オジエが優勝。エルフィン・エバンスが続き、トヨタが1-2

©Red Bull

2024年シーズンWRC開幕戦ラリーモンテカルロは、1月26日(日)に最終日の3ステージが行われ、トヨタのセバスチャン・オジエが、チームメイトのエルフィン・エバンスを18.5秒差に従えて優勝、トヨタはシーズン初戦を1-2フィニッシュで飾った。26秒差の総合3位には、ヒョンデ移籍後WRC初戦となるアドリアン・フルモーが入っている。

日曜日のルートは、サービスパークが置かれたギャップをスタートし、初日に走行したSS3をSS16、SS1をSS17として走り、チュリニ峠を含むパワーステージSS18を経て、モナコへと至る。3SSの合計距離は50.90kmと短いものの、総合2番手争いは6.8秒の間に3人が並んでおり、まったく予断を許さない状況だ。

オープニングのSS16はディレイがあり、6時45分にスタート。まだ夜明け前のステージを、Mスポーツ・フォードのグレゴワール・ミュンステールを先頭に、各車が次々とアタックしていく。路面はブラックアイスが点在する難しいコンディションで、タイヤチョイスひとつで大きな差がつくことも考えられる。このステージを制したのはオジエ。SS2番手にエバンス、SS3番手にカッレ・ロバンペラが入り、トヨタ勢が上位を占めた。ここではSS5番手タイムを刻んだタナックがフルモーを逆転し、総合3番手にポジションアップを果たしている。なおこのステージでは、1.8km地点で勝田貴元がアンダーステアからコースオフ。観客の助けを借りて脱出を試みるも叶わず、悔しいリタイアとなった。同じくトヨタのサミ・パヤリも10.1km地点で橋の欄干を突き破ってコースアウトを喫し、競技続行が不可能に。両クルーともケガはなかったが、トヨタは一気に2台を失うこととなってしまった。

日が昇り始め、凍ったセクションはあるものの、おおむねドライとなったSS17はSS1の再走ステージ。スーパーソフト4本+スタッド2本を選んでいたため、前のSS16で苦労したフルモーが渾身のベストタイムをマーク、タナックを再び逆転しただけでなく、総合2番手を走るエバンスの4秒後ろにつけることに成功した。SS2番手には、やはりスーパーソフト4本+スタッド2本のロバンペラ。凍ったコーナーでスピンを喫したものの、SS3番手のエバンスに13.3秒差をつけて、総合4番手のタナックに3.1秒差としている。このSSでは、Mスポーツ・フォードのミュンステールがアンダーステアから土手にヒット、

これで、首位オジエと総合2番手エバンスの差は18.2秒。前述のとおりペースアップしたフルモーが22.2秒差の総合3番手、総合4番手のタナックは45.5秒差となっており、表彰台がやや遠のいている。そのタナックの3.1秒背後には、ロバンペラがつけており、最終パワーステージを前に、勝負の行方は混迷の度合いを増してきた。

HYUNDAI


そして迎えた最終パワーステージ。陽の当たる部分はほとんどがドライ路面となっているが、ひとたび日陰に入れば氷雪路という難しいコンディションだ。名物チュリニ峠のコーナーは雪解け水でウエット状態となっている。

ラリー1勢はMスポーツ・フォードのジョシュア・マカリアンからコースイン。続くヌービルは13分14秒4で暫定ベストをマークするものの、ロバンペラはこのタイムを10.1秒上まわり、暫定ベストを更新。タナックはロバンペラから7.7秒遅れの暫定SS2番手タイム。これでロバンペラはタナックをかわし、4位以上のリザルトを決めた。注目の上位争い、最初にアタックするのはフルモーだ。ロバンペラと同様、スタッド2本とスーパーソフト2本をクロスに装着してスタートしたフルモーは好ペースを維持し、ロバンペラのタイムを上まわり暫定ベストを更新、これで3位表彰台以上を確実なものにした。続くエバンスは渾身のアタックでフルモーのタイムを3.5秒上まわり、2位以上を確定。そして上位陣最終走者のオジエは、そのエバンスをさらに0.3秒上まわるベストタイムをマーク。この瞬間、オジエの勝利が決まった。オジエにとってはWRC通算62勝目、ラリーモンテカルロでは2年ぶりとなる通算10勝目(2009年のIRC含む)と、貫録を感じさせる勝利となった。

最終SS終了時点での総合順位は、オジエ、エバンス、フルモー、ロバンペラ、タナックというトップ5。パワーステージはオジエ、エバンス、フルモー、ロバンペラ、タナックがそれぞれボーナスポイントを得た。スーパーサンデーはエバンス、ロバンペラ、オジエ、フルモー、ヌービルの順となっている。

ポイントは、ウイナーのオジエが33点(25点+3点+5点)、2位のエバンスが26点(17点+5点+4点)を獲得。ヒョンデでの初表彰台を獲得したフルモーは20点(15点+2点+3点)を獲得した。ドライバーズランキング上位は、首位オジエが33ポイントで、2番手のエバンスが26ポイント。3番手のフルモーが20点、4番手のロバンペラが18点で続いている。マニュファクチャラーズポイントは、トヨタが60点、ヒョンデが36点、Mスポーツ・フォードが11点。

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次戦は2月13日〜17日に開催されるスウェーデン。シーズン唯一のフルスノーラリーだ。北東部の学園都市ウメオを拠点として開催され、昨年はヒョンデのエサペッカ・ラッピが勝利を飾っている。25年はMスポーツ・フォードからマルティンス・セスクスがエントリー予定だ。


WRCモンテカルロ 暫定結果

1. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 3:19:06.1
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +18.5
3. A.フルモー(ヒョンデi20Nラリー1) +26.0
4. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +54.3
5. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +59.0
6. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +5:44.2
7. J.マカリアン(フォード・プーマ・ラリー1) +10:15.1
8. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +10:26.8
9. N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +11:40.7
10. E.カミリ(ヒョンデi20Nラリー2) +13:14.6



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