WRCスウェーデン:ヒョンデはアップグレード版のi20Nラリー1を投入 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCスウェーデン:ヒョンデはアップグレード版のi20Nラリー1を投入

©Hyundai Motorsport GmbH

今週開催されるWRC第2戦ラリースウェーデン(グラベル&スノー)にヒョンデは、ティエリー・ヌービル、オィット・タナック、アドリアン・フルモーがドライブするマシンとして、アップグレードを施したヒョンデi20Nラリー1を投入する。

シーズン唯一のピュアなスノーラリーはヒョンデにとって思い出深いイベントで、2024年はエサペッカ・ラッピが自身2度目のWRC優勝をマーク。2023年には故クレイグ・ブリーンが、スペクテイターに人気のステージ、ブラットビーを2回とも制してイベントを盛り上げた。

独特の路面に氷点下の気温と過酷なコンディションではミスが許される余地が少なく、正確なペースノートと的確なライン取りが求められる。

このイベントにヒョンデが投入するアップデート版i20Nラリー1は、シャシーは現行そのままに、効率性を最大化するためにほかの部分を一新。サスペンションレイアウトと軽量化に重点を置いたほか、2025年のジョーカーを相当数使用し、ここからのシーズンでのパフォーマンス向上を目指している。

3クルーは、フィンランドにあるチームのパフォーマンス拠点でプレイベントテストを実施。今季からWRCの公式タイヤサプライヤーとなったハンコックのスウェーデン仕様スタッドタイヤもテストしたが、週末を通してのパフォーマンスは実戦でなければ測れないと構えは慎重だ。

ヒョンデ移籍後、初のイベントとなった1月のラリーモンテカルロでいきなりポディウムフィニッシュを飾ったフルモーだが、スウェーデンでは金曜日のスタート順が早くなるというハンディを抱えることになる。一方で、昨年のスウェーデンでは自身初のWRCポディウムをマークしており、今年も活躍に期待がかかる。

「ラリーモンテカルロをポディウムに上がって終えられたことは、自分たちにもチームにとっても素晴らしいことだった。 チャレンジングで名高いイベントをあのような形で終えることは、自分たちのモチベーションにもつながる。
 モンテを終えた時点でフィニッシュは厳しいチャレンジになることは分かっていた。12月にスノーで2日間テストしているし、1月にもテストができたので、このマシンでのスノー走行の経験を多少は詰めたから、今週末のイベントに向けても自信を感じている。プッシュして昨年のポディウムフィニッシュのようなリザルトを目指してベストを尽くすが、走行順が2番手なのはビッグチャレンジになることも承知している。このラリーではできるだけ多くのポイントを獲得しなくてはならないので、結果を楽しみにしている」

前戦モンテカルロでは5位フィニッシュとなったタナックは、2019年、2023年にに続いて3度目のスウェーデン優勝を狙う。
「今年のモンテはサプライズの連続で、変わりやすいコンディションのなかですぐに新しいタイヤに対応することに苦戦した。
 このことはスウェーデンでも試練になるが、タイヤの選択肢がないので、できる限り最大限のパフォーマンスを引き出すことだけに専念できる。スウェーデンでは特に2ループ目では走行順が鍵になるが、それ以外は速さとパフォーマンスが最も重要な要素であることは変わらない。12月と、モンテカルロの後にテストを行って、内容はポジティブだった。ビッグチャレンジになる部分はあるが、モチベーションは高まっているので好リザルトを目指してプッシュしていきたい」

初めてチャンピオンとしてシーズンを迎えているヌービルは、スウェーデンではポディウムに5回上がっており、2018年には優勝もマークしている。
「スウェーデンは独特なイベントで、クルーにもマシンにも過酷。セッティングが決まれば、スウェーデンで成功を収めるために必要な反応性、正確性、牽引力が感じられるようになる。
 新しいタイヤについても、確認が必要な部分がある。スタッドがどれくらい持つのか、どれくらい角度をつけて走れるのか、学ばなくてはならない。今年は新しいステージも加わっているので、新しいノートも作ることもタフな要素だ。今回はポイントをたくさん持って帰りたいので、ポディウムフィニッシュに絡んでいく決意だ。優勝以上に重要なことは、選手権のために有効なポイントを獲得すること。日曜日も大いに活かしていきたい」



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