
©TOYOTA
2025年シーズンWRC第2戦ラリースウェーデンは、2月14日(金)にラリー2日目の7SSを走行し、トヨタのエルフィン・エバンスが、チームメイトの勝田貴元に0.6秒差をつけて首位に立った。2.5秒差の3番手にはヒョンデのオィット・タナックがつけている。
木曜日にセレモニアルスタートとレッド・バーン・アリーナでのSS1に続き、この日から本格的な森林ステージを走行。金曜日はサービスが置かれたウメオ北側の3SS「Bygdsiljum(28.27km)」、「Andersvattnet(20.51km)」、「Back(10.80km)」をサービスを挟んでリピートし、最後に前日も走った「Umea Sprint(5.16km)」で締めくくる7SS、124.32km。
この日の天候は晴れ、朝の段階でサービスの気温はマイナス11℃。SS2はクリーンな路面を走行したエバンスがベストタイム。後半にいくほど滑りやすいコンディションとなるなか、7番手スタートの勝田が1.1秒差のセカンドベストを刻む。エバンスが総合首位の座をキープし、SS3番手タイムのタナックが2.7秒差の総合2番手。勝田は6.5秒差の総合3番手にジャンプアップした。以下、7.6秒差の総合4番手にアドリアン・フルモー(ヒョンデ)、11.8秒差の総合5番手にカッレ・ロバンペラ(トヨタ)、13.9秒差の総合6番手にティエリー・ヌービル(ヒョンデ)のオーダーで続く。総合7番手を走行していたパヤリは左リヤタイヤがホイールから外れ、そのまま走行を続けたことで30秒近くをロス、総合9番手まで順位を下げている。
SS3はライン上をルーズスノーが覆っていたものの、2番手スタートのフルモーが、エバンスに1.3秒差、タナックと勝田に3.0秒差をつけるベスト。フルモーが勝田をかわし、総合3番手に順位を上げた。セッティングへの不満をもらすロバンペラをヌービルがパスし、総合5番手にひとつ順位を上げている。
SS4もフルモーがエバンスに3.9秒差をつけて連続ベストタイムを刻む。フルモーはこれでタナックを抜い首位のエバンスに1.9秒差の総合2番手に浮上した。
「今朝はタイヤを上手く使うことができたね。最後の2ステージはクリーンだったし、ドライブが楽しかったよ」と、フルモーは納得の表情だ。首位から6.2秒差の総合3番手にタナック、勝田は8.4秒差の総合4番手とトップ圏内をキープした。ロバンペラは、こちらもセッティングが決まっていないヌービルをパスし、首位から18.0秒差の総合5番手に浮上している。
午前中の3SSをリピートする午後のセクション。1回目の走行によって、ステージにはグラベルが出ている箇所も存在する。午後はさらにコンディションが悪化する可能性もあり、トップクルーはスペアタイヤを2本搭載し、ウメオのサービスを後にした。SS5はスタートから2〜3km地点にグラベル区間が存在するなか、勝田がヌービルに2.3秒、トップを走行するエバンスに12.6秒差をつける初のベストタイム。これで勝田が、エバンスかわしてトップに立った。
総合2番手につけていたフルモーは、エンジンストールを喫して10秒以上のタイムロス、タナックの後方、総合4番手にドロップした。ロバンペラはジャンクションでオーバーシュートを喫し、こちらも10秒以上をロス。総合6番手に後退し、代わってヌービルが総合5番手に順位を上げている。
SS7、タナックがエバンスに0.3秒差のベストタイム。勝田はエンジンストールを喫したこともあり、8.0秒遅れの8番手タイムに沈み、エバンスが再度首位を奪った。日が沈み、気温が一気に下がったSS7、勝田とエバンスがともにペースを落とすなか、ベストタイムのヌービルから0.8秒差のセカンドベストを刻んだタナックが、総合3番手から一気にトップに浮上。ただ、0.5秒差の総合2番手に勝田、1.4秒差の総合3番手にエバンスと僅差の戦いが続く。
この日の最後を締めくくるSS8は、初日にも行われたレッド・バーン・アリーナでのショーステージ。大歓声が渦巻くなか、エバンスが勝田に1.5秒差、タナックに3.9秒差をつける一番時計をたたき出し、またも首位に返り咲いてみせた。ただし0.6秒差の総合2番手には勝田、2.5秒差の総合3番手にタナックと、上位3台が3秒差という接近戦。さらに総合4番手のフルモーが7.9秒差、総合5番手のヌービルが9.1秒差につけており、こちらもまだまだトップを狙える位置につけている。
昨年に続き、僅差の総合2番手で金曜日を終えた勝田は「今日は良いフィーリングで走ることができましたが、まだラリーの先は長いです。上位は接戦ですし、明日はかなり興味深い展開になるはず。この調子で頑張ります」と、笑顔を見せた。
競技3日目はSS9〜SS15の7SS、SS走行距離は101.96km。オープニングとなるSS9は、日本時間2月15日の17時10分にスタートする。
WRCスウェーデン SS8後暫定結果
1. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 1:08:36.5
2. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +0.6
3. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +2.5
4. A.フルモー(ヒョンデi20Nラリー1) +7.9
5. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +9.1
6. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +25.5
7. M.セスクス(フォード・プーマ・ラリー1) +43.6
8. J.マカリアン(フォード・プーマ・ラリー1) +1:02.6
9. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:10.6
10. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ラリー1) +1:22.5