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©TOYOTA
2月16日にフィニッシュしたWRC第2戦ラリースウェーデンで、トヨタのチームメイトでもあるエルフィン・エバンスと激しい首位争いの末に、自己ベストタイの2位フィニッシュを飾った勝田貴元。ラリーを振り返って、自分のリスクマネージメントに納得を見せるとともに、エバンスの速さを賞賛した。
エバンスまで3秒差の2番手で最終日を迎えた勝田。3番手にはヒョンデのティエリー・ヌービルが3.3秒差で背後に迫っている。この日は約30kmのステージを2本続けて走行した後に、最終パワーステージは直前で安全上の理由により距離が10.08kmから8.62kmに短縮されていた。
トヨタが1‐2体制を築くなか「ロングステージはポイントになると思っていましたが、プッシュしないと後ろにパスされますし、スーパーサンデーやパワーステージのポイントも持ち帰らなくてはならないと思っていました」と、勝田はロングの1本目、SS16でベストタイムをマークし、首位に浮上した。このステージについて勝田は「流れが良く、とてもクリーンに走れました」と振り返る一方で、同じステージを続けて走るSS17は、エバンスが勝田を8.2秒引き離すベストタイムをたたき出し、首位に再浮上した。「このステージは荒れることが予想されていましたし、今回はクリーンなラリーでクルマを無事に持ち帰ることがターゲットだったので、リスクを負えずに消極的になってしまったと思います。でも、エバンス選手は、ここで積極的に攻めた。ここである程度の勝負が決まったかなと思います」とエバンスの激走を賞賛した。
「ラリーの序盤ではオーバーシュートしてリバースに入れたりタイムロスはありましたが、ほかのドライバーも色々ありました。だから、あのタイムロスがあったから負けたとは思っていません。純粋に速さの勝負だったと思いますし、勝つためにはさらにエキストラの速さが必要なのだということを、あらためて認識しました」と語った。
次は、ハンコックタイヤとしては初めてのグラベルラリーとなるサファリ。グラベルタイヤの初テストは3週間後に予定しているという。過去2回、2位に入っているイベントだけに、次ぎこそはと勝利を期待してしまうが、「適切な抑制が求められているシーズン。今回、ちゃんとこらえてポイントを持ち帰ることができたのは今後につながると思っています。モンテカルロでのリタイアの後でしたが、いいラリーになりました」と納得の笑顔を見せてくれた。
その勝田貴元は、2月28日〜3月2日に開催される全日本ラリー選手権開幕戦ラリー三河湾で、デモンストレーション走行を披露することが発表されている。楽しみにしているファンに向けて勝田は「シーズンが始まると、なかなか帰国する機会がないので、ファンのみなさんやラリー関係者の方々とお会いできるのを楽しみにしています。WRCジャパンを盛り上げるためにもいい走りをしたいと思います」と語ってくれた。