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©RALLY PLUS
スバル/STIは2月26日(水)、富士スピードウェイにて、2025年シーズンのSUPER GT GT300クラスに参戦するSUBARU BRZ GT300のシェイクダウンを実施した。カラーリングや体制は、1月に開催された東京オートサロンで発表されたとおりで、このシェイクダウンでもステアリングを握った井口卓人と山内英輝がコンビ11年目のシーズンを戦う。
昨シーズンはトラブルに相次いで見舞われ、ドライバーランキング16位と低迷したスバル/STI。21年以来となるチャンピオンの奪還と、ここ数年の大きなタスクとしている全戦でのポイント獲得を目標として25年に臨む。
マシン面での改良点は、まず新たなシャシーを導入。ベース車両のスバルBRZがZC6型からZD8型にモデルチェンジしたことから、2021年に新型BRZ GT300を導入し、新型の初年度にチャンピオンを獲得。24年シーズンまでの4年間に同一のシャシーを使用していたが、SUPER GTが独自に設定している性能調整であるBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)が変化し続けていることから、21年と比較して24年は車両重量が約150kg増量しており、その対応策での新シャシー導入となった。これにより、今まで手をつけることができなかったフレーム面での改善なども見込まれるという。
空力面ではエアロコンセプトを一新。特にフロントのボンネット形状が大きく変化しており、気流が車両の中心を通るセンターフローという形状からサイドウインドウを通って空気が通るサイドフローの形状に変更。サイドフローについては以前より試行錯誤を続けていたが実戦導入とはいかなかったものの、納得のいくダウンフォースの数値が出るまでにテストで改良し、十分なエアロダイナミクスの効果が出ると判断し導入に至ったという。
また、フロントタイヤのサイズが変更となっており、幅と外径が少し小さくなることからタイヤを供給するダンロップ、ホイールのBBSと連携し、従来と同じようなパフォーマンスが出せるように開発を続けるとしている。
チームを率いる小澤正弘総監督は「24年シーズンは想定外のトラブルなど数々のトラブルが起きて、本当に悔しい思いをしましたし、チームがバラバラになってしまうのではないかというくらい難しいレースが続きました。そんな中でチームのみんなが、お互いの領域まで足を踏み込んで、それぞれをケアしながら一丸となってシーズンを戦った事実は、我々チームの良さだと思っています。新しいクルマは、チーム一丸となって作ってきた車ですが、レーシングカーとしてはまだひよこの状態です。なんとしてでもタイヤパフォーマンスをしっかり引き出すセットアップをつくって、この新型車両で次のステップに進みたいと思っています。今年一年、応援よろしくお願いします」とコメントした。
シェイクダウンの専有セッション中には、ゲスト、スポンサー、メディア向けに、BRZ GT300が走行するコースをバスに乗って同時に走行するサーキットサファリイベントを実施。BRZのドライビングは山内が担当し、バスには井口とリザーブドライバーの奥本隼士が同乗し、富士スピードウェイやBRZの解説を行った。
リザーブドライバーの奥本はラジコンの世界大会で優勝した経験を持ち、レーシングドライバーとしてはトヨタの育成チームであるTGR-DCからFIA-F4に参戦、2024年のスーパー耐久ではトヨタGRヤリスでクラスチャンピオン獲得に貢献している。 SUPER GTでは昨年の公式テストでBRZ GT300をドライブしているほか、今シーズンは第3戦マレーシアに、グッドスマイル初音ミクAMG GT3の助っ人ドライバーとして参加することが発表されている。
今シーズンのSUPER GTは、3月中旬の15日(土)〜16日(日)にまず岡山公式テストが開催され、月末の29(土)〜30日(日)に富士スピードウェイで2度目の公式テストを開催。開幕戦は4月12日(土)~13日(日)に岡山国際サーキットにて行われる。