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©RALLYPLUS
自動車用/オートバイ用/船舶用潤滑オイルメーカーのBPカストロール(カストロール)と、自動車用サスペンション専門メーカーのテインは、Castrol with TEINとして、2025年の全日本ラリー選手権(JRC)と全日本ダートトライアル選手権(JDC)に参戦することを発表した。ドライバーは、鎌田卓麻を起用する。
カストロールとテインとの繋がりは30年前、テイン専務取締役である藤本吉郎が加入したトヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)をカストロールが支援していたことから始まった。藤本は1996~1997年にテイン・スポーツからアジア・パシフィックラリー選手権に参戦しており、この時にもカストロールから支援を受けていた。
その後、2023年の東京オートサロンに、1995年WRCサファリラリー優勝車であるカストロールカラーのトヨタ・セリカGT-FOUR(ST185)を展示したことをきっかけに関係が深まり、今年1月に開催された東京オートサロンでは、前年11月に開催されたWRCラリージャパンでクリス・イングラムがドライブしたカストロールカラーのトヨタGRヤリス・ラリー2を展示するコラボレーションが実現した。
往年のカストロールカラーで、さらなるモータースポーツ発展を目指し、今シーズンはCastrol with TEINとして実戦に臨む。国内モータースポーツで公認のカストロールカラーの競技車両が参戦するのは、1995年〜2001年に当時の全日本GT選手権(JGT)に出場していたトムス・スープラ以来。
カストロールは高性能な潤滑油をサポートし、テインはラリーとダートトライアルの分野で製品開発及びエンジニアリングサポートを行う。
全日本ラリー選手権は今週末のラリー三河湾でシーズンが開幕。チームは、鎌田卓麻のコ・ドライバーとして昨年までコンビを組んでいた松本優一を引き続き起用し、シュコダ・ファビアR5でJN-1クラスにフル参戦する。また、11月にWRC第13戦として開催されるラリージャパンへの参戦に向けても、計画が進められているとのことだ。
また、3月15日のトライアル関西inいなべで開幕する全日本ダートトライアル選手権には、スバルBRZでDクラスに参戦。同じく全8戦に参戦する。
カストロールの平川雅規社長は「25年ぶりに国内のモータースポーツシーンでカストロールカラーのマシンが走ることに、私自身非常にワクワクしていますし、さらなるモータースポーツへの支援活動に繋げていけたらと思っています」とコメント。
さらに「今年度は、カストロールとテイン様とのコラボレーションで参戦させていただきます。みなさまにとっては、カストロールといえばトヨタ、というイメージが強いと思いますので、来年度は、それを復活させたいと言う気持ちで、トヨタGRヤリス・ラリー2の投入を計画しています。ぜひ、ご期待下さい」とうれしいプランも明かしてくれた。
テインの渡邊宏尚執行役員は「弊社は、代表取締役の市野諮と専務取締役の藤本吉郎が『モータースポーツで勝てるダンパーを作ろう』という気持ちが起源です。近年は正直、弊社としてはモータースポーツのイメージが少し落ちてきているなかで、カストロール様とコラボレーションさせていただくことになりました。国内はもちろん、海外にもテインのモータースポーツイメージを発信できればと思っています。R5/ラリー2は規定上、ダンパーは公認パーツを使用するため弊社の製品は装着できませんが、エンジニアリングの部分でサポートしていきたいと思います」と背景を語ってくれた。
ドライバーを務める鎌田は「子どもの頃から憧れていたカストロールカラーのマシンに乗れることに、今から気持ちがワクワクしています。テストではいいタイムが出ていますが、今シーズンは学びの年として、来年に繋ぐことができるよう、慎重に進んでいきたいと思います。全日本ダートトライアルはエンジンを刷新しました。こちらもライバルたちが手強く、昨年はシリーズ2位に終わりましたが、今年はチャンピオンを目指して頑張ります」と意気込みを語っている。