WRCサファリ:トヨタは2番手発進の勝田貴元をはじめ3台がトップ5に – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCサファリ:トヨタは2番手発進の勝田貴元をはじめ3台がトップ5に

©TOYOTA

3月20日に開幕した今季のWRC第3戦サファリ・ラリーケニア(グラベル)に4台のトヨタGRヤリス・ラリー1をエントリーするトヨタ勢。この日は2台同時走行のスーパーSS、SS2の走行が行われ、TGR-WRTは勝田貴元/アーロン・ジョンストンがこの日を終えて2番手につけた。カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、エルフィン・エバンス/スコット・マーティンが4番手、5番手で続き、TGR-WRT2から初めてのWRCサファリに挑むサミ・パヤリ/マルコ・サルミネンも7番手でこの日のステージを走り切った。

(以下、発表リリース)


WRC 第3戦 サファリ・ラリー・ケニア デイ1
伝統のサファリ・ラリー・ケニアが首都ナイロビで開幕
2本のSSを走行し勝田が総合2位につける

3月20日(木)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦サファリ・ラリー・ケニアが、ケニアの首都ナイロビで開幕。デイ1として2本のステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組 (GR YARIS Rally1 18号車)が総合2位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合4位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位に、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)が総合7位につけました。

TOYOTA

2025年シーズン最初のグラベル(未舗装路)イベントとなるサファリ・ラリー・ケニアは、今年もケニアの首都ナイロビの約90km北西に位置するナイバシャを中心に開催。今大会はステージの総走行距離が383.10kmに達し、ラリーが2021年にWRCのカレンダーに復帰して以降最長のイベントとなります。ラリーはまず19日(水)の午前中に有名な「スリーピング・ウォリアー」のエリアでシェイクダウンが行なわれ、全長5.16kmのステージでロバンペラが最速タイムを、勝田が5番手タイムを、エバンスが7番手タイムを、パヤリが10番手タイムを記録しました。WRCではヨーロッパ圏外でのプレイベントテストが禁止されているため、チームとドライバーにとってはクルマをケニアの道に最適化する貴重な走行機会になりました。

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競技は翌日の20日(木)からスタートし、ナイロビ中心部での華やかなセレモニアルスタートに続き、ナイロビ郊外のカサラニで、2台同時走行のスーパーSS「スーパー・スペシャル・カサラニ」が行なわれました。広大な草原地帯に設けられた全長4.76kmのステージは全体的にやや湿り気を帯びており、所々に水たまりもあるなど非常に滑りやすい区間もありました。そのステージでは、前戦ラリー・スウェーデンで優勝しチャンピオンシップをリードするエバンスがベストタイムを刻み、ロバンペラは1.5秒差の2番手タイムをティエリー・ヌービル(ヒョンデ)とシェア。勝田は8番手タイム、パヤリは9番手タイムでオープニングステージを走り切りました。

その後、ドライバーたちはナイバシャのサービスパークに戻る途中で、新ステージのSS2「ムザビブ1」を走行。草原地帯を駆け抜ける全長8.27kmのステージも雨で一部路面が泥状となり、出走順がタイムに少なからず影響を及ぼしました。この新ステージでは、勝田がベストタイムのオィット・タナック(ヒョンデ)と1.1秒差の2番手タイムを記録し、総合2位にポジションアップ。首位タナックと2.4秒差でデイ1を締めくくりました。またSS2で4番手タイムのロバンペラは総合4位で、5番手タイムのエバンスは総合5位で、6番手タイムのパヤリは総合7位でデイ1を走破しました。

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ユハ・カンクネン (チーム代表代行)
サファリ・ラリーのためにケニアに戻ってくることができて嬉しく思います。このラリーでWRC初優勝を達成してから40年ぶりにこの地を訪れることは、私にとって特別なことです。その当時、このラリーに初めて出場して優勝できたのは大きな驚きでしたが、このラリーではコンディションによって多くのことが変化するので、いかなることも起こり得ます。まだ2本の短いステージを終えただけですが、我々のクルマは全車が良いコンディションでサービスに戻ってきましたし、ここまでのところ万事順調です。明日はもっと長くタフな一日になると思いますので、多くのことが見えてくるでしょう。特に最初のステージはかなり厳しそうですが、準備は万端ですし、ベストを尽くす準備はできています。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
ナイロビでのオープニングステージ、スーパースペシャルはいいステージでしたし、クリーンな走りをすることができました。しかし2本目のステージは草が湿っていて、ところどころ非常に滑りやすく、グリップレベルを見極めることが難しかったので、私たちにとってはベストなステージではありませんでした。それでも、全体的にはまずまずのスタートを切れたと思います。私たちにとっては、おそらくこれまでで最もチャレンジングなサファリになるかもしれません。天候はいつものように運任せになるでしょうし、ステージの難しさと荒れ具合も今回はかなり厳しそうですが、ベストを尽くして臨むのみです。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
このラリーは我々にとって常に特別なものですし、チームにとって100回目のイベントとなる今回も良い成績を維持したいと思っています。今日は大きなトラブルもなくペースも良かったので、難コンディションを生き抜くことが重要になる明日からの本当のチャレンジに向けて、いい位置につけていると思います。すでに今日の2本目のステージでも、非常に変わりやすい路面コンディションを経験したので、この週末はさらに多くの変化を経験することになるでしょう。自分たちにとってベストなプランは速さと安定性を両立し、できる限りトラブルを避けることです。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)

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ケニアに戻ってくることができてとても嬉しく思います。例年以上に大きなチャレンジになると思いますが、ベストを尽くして戦います。雨が降ったことで2本目のステージも既に非常にチャレンジングで、どのコーナーが滑りやすいのか判断するのが難しかったため、ひとつのコーナーでラインが大きく脹らんでしまいましたが、何とか戻ってくることができました。同じような状況はこの週末多くのステージで起こり得るので、良いリマインダーになったように思います。明日は一般的なステージを何本か走りますし、きっと多くのドラマを目にすることになると思いますが、クルマを快適に感じられているので、冷静さを保ち忍耐強く戦うのみです。

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
自分にとって初出場となるサファリ・ラリーをスタートすることができて嬉しく思いますし、既に面白さを感じています。最初のステージの最初のコーナーでは、他のクルマによってはね飛ばされた石がフロントガラスにぶつかり、少し視界が妨げられました。そして2本目のステージでは、野生動物の世界に遭遇しました。これまで他のラリーでは経験したことがないようなコンディションですが、全ては学びの糧になります。明日は長い一日なので、ミスのないクリーンなドライブを心がけたいと思います。

サファリ・ラリー・ケニア デイ1の結果
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) 09m52.3s
2 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2.4s
3 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1) +2.6s
4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +3.0s
5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +4.5s
6 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +8.8s
7 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +9.8s
8 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +19.7s
9 カイエタン・カイエタノビッチ/マチェイ・シュチェパニャク (トヨタ GR Yaris Rally2) +22.7s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR Yaris Rally2) +24.0s
(現地時間3月20日19時50分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技2日目となる3月21日(金)のデイ2は、ナイバシャ湖の周辺で「ロルディア」、「ケンジェン・ジオサーマル」、「ケドング」という3本のステージを、エレメンタイタ湖の南側で「キャンプ・モラン」のステージを、日中のサービスを挟んで各2回走行します。そのうち、以前スリーピング・ウォリアーに含まれていた区間も走行する新ステージのキャンプ・モランは全長31.40kmと長く、今大会最長のステージとなります。また、ケドングは昨年よりも走行距離が大幅に短縮されています。8本のステージの合計距離は157.58kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は464.50kmとなります。



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