
©Rally Costa Brava
ヨーロッパヒストリックラリー選手権(EHRC)開幕戦ラリーコスタブラバ(ターマック、スペイン)が3月13日〜15日に開催され、トヨタ・セリカ・ターボ(ST185)で参戦したヤリ‐マティ・ラトバラが全ステージを制する圧倒的な強さで優勝を飾った。
コ・ドライバーにヤンニ・フッシを迎えたラトバラは、最終的にロマン・デュマ(ポルシェ911カレラRS 3.0)に3分52.5秒の大差を築いた。
「木曜日夜の最初のステージは、ラリーモンテカルロの真ん中にいるような気分だった。雨が強くて暗かったし、山の頂上は霧に包まれて何も見えなかった。でも、少しリードを築けたので、それが自信につながった。週末を通してコンディションがかなりチャレンジングだったので、4WDのアドバンテージが得られたことは確か。2WDでターマックだったら、ドライのように挑むことはできなかったから、コンディションは自分に合っていたしタイヤもすごくよかったよ。
金曜日は一日中、雨が降っていたし、土曜日も雨だったが少し弱くなった。午後、難しかったのは、適切なタイヤを選ぶこと。最後の2本はスリックを選んだ。80%はドライだったから、選択は正しかったと思う。どうするべきか議論もしたが、リードしていたので自分が決めた。難しいようだったら、一歩差がって力を抜けばよかったしね。雨が止めば、乾いていくだろうと感じていたから。
チームのみんなもいい仕事をしてくれた。金曜日は右フロントのトップマウントを変えるだけでよかった。 エッジがかなり重くなるようなカットをしたのは、自分のミスもあったと思う。ホイールが曲がって、トップマウントにも少し衝撃を受けた。ラリーカタルニアではこんな風に思いどおりに勝てたことはないけど、少なくともラリーコスタブラバでは勝てたね」とラトバラは振り返っている。
EHRCの次戦は4月26日〜27日にチェコで開催されるヒストリック・ブルタバラリー(ターマック)。
一方、今週開催されているWRC第3戦サファリ・ラリーケニアでは、ラトバラに代わってユハ・カンクネンがトヨタのWRCチーム副代表として現地に帯同している。
「サファリは、いつでもエキサイティング。いつも何かが起こるし、まさに冒険。トラブルなしで走り切れれば、ラクにトップ5、もしかしたらトップ3にも入れる。ここでの戦いは信頼性と言われてきたし、自分たちもこの点にずっと取り組んできた。今回は初めてユハ・カンクネンがチームを率いるので、自分はストレスを感じずに済むね」
このラリーコスタブラバでは、EHRCに新たなカテゴリーとして1993〜2000年に公認を受けた車両を対象としたプレ2000(P2)が登場した。ヒストリックカーの参加資格について定めた国際競技規則の付則Kが更新されたことに伴うもの。2025年は、P2車両はEHRCのポイント対象とはならず、カテゴリー1〜4の後を走行することになるが、2026年からはこれらの車両がEHRCの枠組みに完全に組み込まれる見込みだ。
ラリーコスタブラバでは、パトリック・カナベスのルノー・クリオ・マキシ・キットカーや、フェルナンド・ダメトの三菱カリスマGT、アーノルド・バンデル・スミードのフォード・エスコートRSコスワースが注目を集めた。今シーズン中には、オーストリアのクリス・ローゼンバーガーが、スバル・インプレッサ555で参戦をしてくる見込みだ。
(Graham Lister)