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FIAは、WRC第4戦ラリーカナリア諸島以降、今シーズンいっぱいまで選手権に持続可能な燃料を単独で供給するサプライヤーを新たに指名した。これまでサプライヤーを務めていたP1パフォーマンス・フューエルズが管財人の管理下に入り、選手権に供給する契約上の義務を果たせなくなったことによるもの。FIAは迅速に、新サプライヤーであるトタルエナジーズとの合意に向けて取り組み、選手権の低炭素化目標を維持しつつ、今シーズンの残りのラリーで、安定的に燃料を供給していく。トタルエナジーズは、世界耐久選手権(WEC)やFIA欧州トラックレーシング選手権にサステナブル燃料を提供するなど、モータースポーツのエコシステムにも積極的に取り組んでいる。
開催中のWRC第3戦サファリ・ラリーケニアについては、P1パフォーマンス・フューエルズに関する発表が行われる前に燃料がすでに輸送中となっていたことから、FIAが仲介して燃料がイベント期間中に使用できるよう、ロジスティクス会社と協力して対応したため、影響は出なかった。
トタルエナジーズは、ラリーカナリア諸島(4月24日〜27日、スペイン)で、FIAのプライオリティドライバーへのサステナブル燃料供給を開始し、その後シーズン終了まで全クルーに配布する。
また先日は、2026年〜2028年までのサステナブル燃料の単独供給に関する入札が締め切られ、FIAは提出された書類の査定を行っている。
FIAジュニアロードスポーツ・ディレクターのエミリア・アベルは「トタル・エナジーズとFIAのチームが、今シーズンの残りの期間、サステナブル燃料の供給を確保するこの協定を結ぶために迅速に動いてくれたことに感謝したい。トタル・エナジーズは、モータースポーツ業界にサステナブル燃料を供給するサプライヤーとして認知されており、2026年以降の燃料供給会社について入札プロセスを経て1社に絞るという長期的な選択肢を検討する一方で、当面は適切な解決策を見出すことができたと確信している。サプライヤーが選手権への参画に乗り出すのは決して容易なことではないが、競争への悪影響がないよう効果的に対応することができた」とコメントを寄せている。