
©Naoki Kobayashi
4月12日に競技が始まる全日本ラリー選手権第2戦ツール・ド・九州2025 in 唐津で、TGR-WRJの監督を務めるTGR-WRT代表のヤリ‐マティ・ラトバラ。世界で戦うチーム力を学び成長を目指しているTGR-WRJに向けて、チームに必要な要素としてトヨタ・ガズーレーシングWRTのモリゾウ会長から学んだ家族のような団結力が重要だと語った。
──今回TGR-WRJの監督を務めることになった経緯は。
ヤリ‐マティ・ラトバラ(J-ML):今回の唐津では、(監督の)眞貝(知志)さんが参加できないため、TGR-WRTのチーム代表として参加することになった。TGR-WRJは、WRCチームがどのように仕事をしているかを知り、そのコンセプトを理解して、日本のチームでも同じようなメンタリティを築こうとしているからだと思う。
──どんなアドバイスを送りましたか。
J-ML:重要なのは、全員がチームとして仕事をするということ。プロフェッショナルでありながら、家族のような団結力を持つ。これは、モリゾウさんから学んだことだ。そして、みんなが笑顔で仕事に意欲的であることを願っている。
──ドライバーには何を期待しますか。
J-ML:ナオ(大竹直生)はモリゾウチャレンジプログラム(MCC)や、海外のラリー経験もあるので、もちろん、総合的には選手権のことを考えないといけないが、MCCで優勝争いに加わってくれると期待している。マコ(平川真子)はまだ経験を積んでいるところで、最も重要なのはラリーを完走して、ペースノート作成の方法、ペースノートからのドライビング方法、それらの改善方法を学ぶことだ。
──チーム全体に対して期待することは。
J-ML:まず信頼性の高い、ドライバーがベストを尽くせるクルマを提供することが目標であり、それが第一の出発点となる。そして、イベント自体がどうなるかを見守りたい。チームにはとても優秀な人材がいると思うし、彼らは何をすべきかを分かっている。全員のモチベーションを維持することが、最も重要なことだ。
──2月にフィンランドのWRCチームを訪問した眞貝監督は、チームの取り組み方すべてに驚かされたと語っていました。全日本のチームが成長するためには、何が必要でしょうか。
J-ML:TGR-WRTの基盤が設立されたのは2015年だということを、念頭におくべきだ。そして2021年に新しいプラットフォームを立ち上げ、現在では200人以上の従業員を抱える大きな企業となった。全日本のチームはまだ若いので、高いレベルに達するには、参戦を重ねて経験を積むしかない。ラリーは経験がものを言うスポーツだ。参戦することで様々なことを学ぶ。ミスをすることもあるだろうが、そのミスから学び、より適した取り組み方を見つけていくものだ。その点に関しては、我々が模範となるよう努めているところだ。