全日本ラリー唐津:初日の午後にペースを上げたヘイキ・コバライネンが勝田範彦に2.8秒差のトップ – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

全日本ラリー唐津:初日の午後にペースを上げたヘイキ・コバライネンが勝田範彦に2.8秒差のトップ

©RALLY PLUS

2025年シーズン全日本ラリー選手権第2戦「ツール・ド・九州2025 in 唐津」の初日は、4月12日(土)に6カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、勝田範彦/保井隆宏(トヨタGRヤリス・ラリー2)に2.8秒差をつけて初日トップに立った。37.5秒差の3番手には新井大輝/立久井大輝(シュコダ・ファビアR5)がつけている。

開幕戦三河湾から1カ月半のインターバルを経て迎えた唐津は、唯一の九州ラウンドとして佐賀県唐津市を舞台に開催されるターマックイベント。今年も「ボートレースからつ」にサービスパークが置かれるが、スペシャルステージの構成が大幅に刷新されることになった。初日は「SAGISOU(5.15km)」、「AMANOGAWA(14.45km)」、「SAYOLAKE(5.56km)」の3SSを午前と午後でリピートする6SS、50.32km。「毎回のように同じステージを何度も使うよりも、変化を持たせる方が新鮮に挑むことができる」と、新井敏弘は歓迎のコメントを残している。

三河湾では初日早々に駆動系トラブルでリタイアを余儀なくされた新井大輝は、唐津までのインターバルにシャシーのオーバーホールを実施したシュコダ・ファビアR5を持ち込んだ。また、新井敏弘/小坂典嵩は、スバルWRX VBHのリヤサスペンションに改良を施し、R5/ラリー2勢に挑む。

初日は一部に濡れた箇所が残っているものの、コンディションはドライ。SS1は開幕戦で悔しいペナルティを科されたコバライネンが、勝田に0.5秒差のベストタイムを刻む。5.1秒差の3番手タイムに新井大輝、6.0秒差の4番手タイムに鎌田卓麻/松本優一(シュコダ・ファビアR5)、7.2秒差の5番手タイムに福永修/斉田美早子(シュコダ・ファビアRSラリー2)。新しい足まわりに違和感を訴える新井敏弘は、このステージだけで12.5秒も遅れてしまった。

この日最長の14.45kmを走るSS2は勝田がコバライネンに3.4秒差の一番時計をマークし、トップに躍り出た。新井大輝は思うようにペースが上げられず、8.7秒差の3番手タイム。鎌田はインカムにトラブルが発生し、17.1秒差の4番手タイムとこちらも優勝争いから一歩後退してしまった。

勝田は続くSS3でもコバライネンを0.2秒凌ぐベストを刻み、総合2番手のコバライネンに3.1秒差をつけて午前中を首位で折り返した。23.3秒差の総合3番手とトップの背中が遠のいた新井大輝は、「これまで積み上げてきたセットアップがリセットされてしまった……」と肩を落とした。その後方、31.5秒差の総合4番手に鎌田、33.6秒差の総合5番手に奴田原、36.2秒差の総合6番手に福永のオーダーで続く。

サービスを挟んだ午後のセクション、「午前中は初めて走るステージも多かったし、慎重に走った」と語っていたコバライネンがSS4で勝田に3.1秒差のベストをたたき出し、同タイムで首位に並ぶ。さらにコバライネンはSS5とSS6でも勝田を僅差で上まわり、3連続ベストタイムをマークし、初日をトップで走り切った。
「午後はフロントグリップ重視にセッティングを変えたことで、かなり走りやすくなった。明日はウエットになりそうだけど、このペースをキープしていきたい」と、コバライネンは笑顔を見せて振り返った。

コバライネンの先行を許したものの、僅差で喰らい付く勝田は2.8秒差の総合2番手。
「ヘイキさんに捲られちゃいましたね。自分としてもちょっとドライビングミスが多かったです」と、悔しさをのぞかせた。

午後もマシンバランスの悪さを訴えた新井大輝は、37.5秒差の総合3番手。鎌田が57.5秒差の総合4番手、奴田原が59.6秒差の総合5番手、福永が1分04秒6差の総合6番手。鎌田から福永は10秒差以内にひしめいており、最終日にも大きく順位が動く可能性がある。厳しい状況が続く新井敏弘は、2分25秒0差の7番手につけている。



RALLY PLUS