全日本ラリー唐津:勝田範彦がシーズン2連勝。初日首位のコバライネンは痛恨のスピン – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

全日本ラリー唐津:勝田範彦がシーズン2連勝。初日首位のコバライネンは痛恨のスピン

©RALLYPLUS

2025年シーズン全日本ラリー選手権第2戦「ツール・ド・九州2025 in 唐津」は、4月13日(日曜日)に 6カ所のスペシャルステージを走行し、トップカテゴリーのJN-1クラスは勝田範彦/保井隆宏(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2)に43.0秒差をつけて勝利を飾った。2分02秒8差の3位には鎌田卓麻/松本優一(シュコダ・ファビアR5)が入っている。

ラリー2日目は「SAYOHIME(12.30km)」「TENZAN(0.67km)」「AMANOGAWA Reveres(14.53km)」の3ステージを、サービスを挟んでリピートする6SS、55.00km。最終日ながら、前日を超えるSS走行距離が残されている。予報通り夜半にかけて降雨があり、朝からは強めの風も吹いたことで路面が乾き始めた部分もあったが、多くのセクションでウエットが残った。

オープニングのSS7、勝田がコバライネンに16.8秒差をつける会心のベストタイム。「滑りやすい路面を警戒しすぎた」と語るコバライネンに14.0秒差をつけて、首位の座を奪取した。勝田は「今回、フィンランドから貴元(勝田)がエンジニアが派遣してくれたことで、ピーキーだった挙動からマイルドに走りやすくなった」と、好調の理由を明かす。

初日3番手につけていた新井大輝/立久井大輝(シュコダ・ファビアR5)は駆動系トラブルにより、スタートから500mの時点で後輪駆動に。スピンを喫するなど1分以上のタイムロスを強いられ、ベストの勝田から1分30秒以上も遅れ、総合6番手にドロップ。これで鎌田が3番手、奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス・ラリー2)が4番手、福永修/斉田美早子(シュコダ・ファビアRSラリー2)が5番手と、ひとつずつポジションを上げた。

多くの観客が集まったSS8も勝田がベストタイムをマーク。ラリー最長の14.53kmを走行するSS9は、2番手のコバライネンがステージ中盤でスピンを喫し、立て直すまでに50秒近くもタイムロス。一方の勝田は奴田原に17.1秒差のベストでまとめ、2番手のコバライネンとの差を1分03秒0に拡大し、午前中のセクションを終えた。3番手を争う鎌田と奴田原は1.2秒差と、ベテランふたりによる激しい攻防が続く。

「ボートレースからつ」でのサービスを挟んだ、午後のループ。路面コンディションが変化するなか、1分のアドバンテージを活かして慎重なペースで走る勝田に対し、コバライネンがこの日最初のベストタイムを刻む。鎌田は奴田原を8.9秒もしのぐ3番手タイムで走り、その差を10.1秒差に拡大した。6番手につけていた新井大輝はSS10を走り出したものの、マシントラブルが解消せず、ラリー続行を断念している。

勝田は残されたふたつのステージも、ベストのコバライネンに続く2番手タイムでまとめてトップフィニッシュ。開幕戦三河湾に続くシーズン2勝目を飾った。鎌田と奴田原による3位争いは、SS12で奴田原が追い上げたものの、鎌田が6.5秒差で逃げ切り、表彰台に上がった。

変化の激しい最終日、完璧なドライブを披露した勝田は「今回は、フィンランドから来てくれたエンジニアの力が大きかったです。今朝も路面の情報に合わせて、ウエットセットに変更してくれました。それもあって自分としても無理をせず走ることができたと思います。ただ、ヘイキさんにスピードで追いつけていないので、少しずつ努力を続けていきます」と、冷静に振り返っている。

午前中のスピンが響き、2戦連続で悔しい2位に終わったコバライネン。「三河湾に続いて、残念なシーズンスタートになってしまったね。ただ、今朝のミスは仕方がない。とにかく今日はウエットコンディションでも濡れたコンディションでも、スピードが足りなかった。それでもポイントを持ち帰ることができて良かったよ」と、肩をすくめた。

鎌田は、今回がファビアR5での初表彰台。「昨夜の雨で厳しい路面コンディションとなったことで、このクルマで走る初のウエットとなりました。乾きつつあるなか、2ループ目はアタックすることができました。今回、良いところと悪いところが見えてきたので、トップ2台と差を詰められるようにハードワークを続けていきます」と、笑顔でコメントした。

2分09秒3差の4位は奴田原。この日もタイヤのマッチングに苦しんだ福永は、2分59秒9差の5位。新井敏弘/小坂典嵩(スバルWRX S4)は、5分09秒0差の6位でラリーを終えた。

以降、JN-2クラスは大倉聡/豊田耕司(トヨタGRヤリスDAT)、JN-3クラスは山本悠太/立久井和子(トヨタGR86)、JN-4クラスは黒原康仁/松葉謙介(スズキ・スイフトスポーツ)、JN-5クラスは河本拓哉/有川大輔(マツダ・デミオ)、JN-Xクラスは天野智之/井上裕紀子(トヨタRAV4 PHEV)がそれぞれ優勝を飾った。



ラリプラメンバーズ2025募集開始!!