
©Keiko Ito
今週開催されるWRC第4戦ラリーカナリア諸島(スペイン、ターマック)、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生である小暮ひかると山本雄紀はトヨタGRヤリス・ラリー2を駆り、31台が出走する激戦のWRC2部門に挑む。レッキを終えたふたりに心境を聞いた。
小暮
──レッキの感触はいかがでしたか?
予想していたとおり、カットが少なくてきれいな路面でサーキットに近いような感じです。山越えが多くてアップダウンが大きいので、場所によってはステージ内で晴れているところと霧がかかって濡れている感じの箇所があります。
──このようなターマックは好きですか?
かなり好きですね。路面が一貫してはいるのですが、コンディションが少しずつ変わったりするので、そのあたりをしっかり見極めたいですね。霧の出ているステージなどでは、コーナーによってはドライだったりウエットだったりするので、ルートノートクルーとしっかり連携を取っていきます。
──今回は誰がルートノートクルーを務めますか?
前回と同じ、クリスチャン・ニエミネンです。モンテカルロが終わった後もフィードバックをお互いに取り合って、どのような単語を使うかの確認をしたりオンボードを見返したりしたので、コミュニケーションがしっかり深まったと思います。
──リエゾンはどのような感じですか?
距離的にはほかとと比べると長くないかもしれませんが、リエゾンも山なのでクネクネした狭い道を走る感じで時間がかかります。上下の傾斜もあるので、リエゾンは日本っぽいと言えるかもしれません。
──体調管理は万全ですか?
今回は大丈夫です。モンテカルロから咳が止まらなくて、スウェーデンも調子が悪かったのですが、ようやく復活した感じです。
──今回の目標は?
もちろん完走は絶対ですが、スピードを出せるところは出して、ポイントが獲れるように頑張りたいと思います。
山本
──レッキの感触はいかがでしたか?
レッキはうまくいったと思います。とてもいい道なので、レッキを楽しむことができました。ただ、晴れていても、ちょっと雲があると山の上は雲の中で完全にウエット路面なので、タイヤ選択がかなり難しそうな感じです。
──ルートノートクルーは使いますか?
ジョン(アームストロング)が来てくれます。でも、今回も早朝というか深夜に行かなくてはならない感じで、深夜だとたぶん路面は濡れていると思うので、ドライかウエットかという情報に関しては、どちらかというと僕らが走る時の方が乾いているのではないかと思います。
──そうすると、さらに難しくなりますね。
ウエットという情報を聞くと抑える方向にいってしまうので、そこは実際に行ってみて、目で見て乾いていたら攻める、という自分の切り替えが大事になります。
──インカットが難しいようですが、それについてはどうですか?
インカットはほぼないに等しく、ラリーを通じて数カ所しかありません。近年のWRCターマックイベントにはなかった純粋なターマックラリーなので、そこはとても楽しみにしています。
──ターマックに対しての自信はどのような感じですか?
自分では好きな方だと思っていますし、スムーズに乗れている時にはラリージャパンでもタイムが出ていたと思うので、得意かどうかは分かりませんが、好きです。
──今回の目標は。
気持ち良く完走すれば結果はついてくると思うので、スピンとかパンクとか、とにかくタイムを失うようなミスをしないという点に集中して取り組んでいきたいと思っています。
(Keiko Ito)