
©TOYOTA
2025年シーズンWRC第4戦ラリーカナリア諸島(ターマック)は、4月25日(金)に初日の6SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが首位に立った。26.8秒差の総合2番手にセバスチャン・オジエ、36.4秒差の総合3番手にはエルフィン・エバンス。総合4番手にサミ・パヤリ、総合5番手に勝田貴元がつけており、トヨタが上位5台を独占している。
木曜日の21時からプラザ・サンタ・アナで行われたセレモニアルスタートに続き、翌日25日金曜日からラリーの幕が上がる。デイ1は、島の中心部に設けられた「Valsequillo – Telde(26.32km)」、「Valleseco – Artenara(15.27km)」、「La Aldea – Mogan (17.83km)」の3ステージを、グランカナリア・スタジアムに置かれたサービスを挟んでループする6SS、118.84km。
この日の天候は晴れだが、標高の高い部分には雲がかかり、霧のように見通しが悪くなるセクションも。路面コンディションは一部にダンプが残るものの、おおむねドライとなった。勝田貴元(トヨタ)がハード4本にソフト1本、サミ・パヤリがハード4本にソフト2本、それ以外のクルーはソフト5本をチョイスして、サービスを後にしている。
オープニングのSS1、カッレ・ロバンペラ(トヨタ)がエルフィン・エバンス(トヨタ)に6.5秒差、セバスチャン・オジエ(トヨタ)に9.1秒差をつけ、幸先よく一番時計を刻む。ヒョンデ勢最上位は、12.8秒差の4番手につけるアドリアン・フルモー。17.0秒差の5番手にオィット・タナック(ヒョンデ)、前戦悔しいリタイアに終わった勝田は17.4秒差の6番手。19.6秒差の7番手とペースに上がらないヌービルは「マシンがしっかりと機能してくれない」と明かしている。
SS2もロバンペラがオジエに6.7秒差をつける連続ベスト。6.7秒差のSS3番手タイムで走行したエバンスがひとつポジションを下げ、オジエが総合2番手に浮上した。12.4秒差のSS5番手タイムを刻んだパヤリは、タナックと勝田をかわして総合5番手にポジションを上げている。総合7番手に順位を下げた勝田は「今朝はプッシュすることなく、フィーリングを確かめながら走っています」と、落ち着いた表情で語っている。
SS3もロバンペラが、オジエに2.0秒、エバンスに3.9秒差をつける3連続ベスト。ロバンペラは最初のループだけで、総合2番手につけるオジエに17.8秒、エバンスに20.2秒のアドバンテージを手にした。6.6秒差のSS5番手タイムで走った勝田は、「SS1の段階から何かトラブルを抱えているが、エンジニアに連絡してみても原因が分からない」と肩を落とすタナックをかわし、総合6番手に順位を戻している。
気温が上がった午後のセクションに向けて、すべてのクルーがハードタイヤ5本をチョイス。午後に入ってもロバンペラの好調は変わらず、SS4ではオジエに4.5秒、エバンスに7.5秒差をつけ、4本目のベストタイムをマークする。「タイヤのこと考えてクリーンな走りを心がけた」と語るパヤリは、フルモーをかわして総合4番手にポジションを上げた。
ロバンペラはSS5とSS6でも余裕のベストタイムで駆け抜け、この日行われたすべてのステージを制覇。総合2番手につけるオジエとの差を26.8秒、総合3番手のエバンスとの差を36.4秒に拡大してみせた。SS5ではペースの上がらないフルモーをとらえ、勝田が、総合4番手のパヤリに続く総合5番手にポジションアップを果たしている。
「今日は本当に満足のいく1日になったよ。すべてがうまくかみ合ったし、チーム全体として最高の初日になったね。事前の準備がしっかりできていたから、ドライビングを楽しむことができたよ」と、ロバンペラは納得の表情で振り返る。
トップ5を独占したトヨタに対し、ヒョンデ勢は終日スピードで大きく見劣りすることになった。序盤で唯一気を吐いていたフルモーは、SS6でも大きくタイムを落とし、総合8番手にドロップ。午後、ペースを取り戻したヌービルが総合6番手に順位を上げ、総合7番手にタナック、総合8番手にフルモーというオーダーで初日を終えている。
競技2日目はSS7〜SS13の7SS、SS走行距離は124.08km。オープニングのSS7は、日本時間4月26日の16時05分にスタートする。
WRCカナリア諸島 SS6後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 1:10:31.8
2. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +26.8
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +36.4
4. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +55.3
5. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:06.0
6. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +1:13.3
7. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +1:14.1
8. A.フルモー(ヒョンデi20Nラリー1) +1:14.8
9. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ラリー1) +2:11.1
10. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +2:50.7