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WRC第4戦カナリア諸島の競技初日を終え、WRC2に参戦するTGR WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀はクラス9番手、小暮ひかるはクラス11番手につけている。各メディアエリアでのふたりのコメントをお届けする。
山本雄紀
<SS3終了後> クラス10番手
──午前中の状況を聞かせてください。
SS2は霧の中でした。霧の中を運転するのが初めてで難しかったですね。ペースノートは大丈夫ですが、それを信じて踏めるだけの度胸と経験値がなかったので、SS2は少し後れを取った感じでした。その他は自分が思ったとおりのペースで走れていますし、うまくいっていると思います。
──霧の中はどのような路面コンディションでしたか?
湿っている感じですが、視界が30mから40mくらいしかなかったら湿っているのかどうかを見ることも難しいです。急にウエットな箇所が出てくるので、それを瞬時で判断しないといけません。結局、何が来ても大丈夫なように全部抑える方向に行ってしまったりするので、木の下は濡れているとか、ひらけていたら大丈夫そうとか、そのあたりの経験を積まないといけないと思います。霧の中で、走りも考えながら、ペースノートも聞いてとやっていると、キャパを超えそうなので、今はその手前で走っています。そこを何度も繰り返したらキャパが広がるのだと思います。
──午後に関しては何か変える予定はありますか?
ドライでハイスピードな2車線のところでタイヤが厳しくアンダーステアが発生するので、少しだけセットアップを変えてみたいと思います。速くなる保証はないので、トライですね。
<SS6終了後> クラス9番手
──今日の午後のループはどのような感じでしたか?
少しだけセットアップを変えましたが、午後の1本目でそれが当たり、とても良い気持ちで走れました。これまでで一番ペースが良かったので、午後は全体的にとてもうまくいったと思います。変えたのは本当に小さなことですが、変化は大きく感じました。タイヤに厳しいラリーだと思うので、いかにタイヤを「いじめず」に、良いタイムを出すかというところでは小さな変更でも効いてくるのだと思います。
──流れがつかめてきている感じですか?
まずペースノートの出来がとても良いので信じて走ることができているのと、無理せずに午前よりもペースが上がっているので、あまり考えすぎずにこのままキープするのが良いかなと思っています。
──コ・ドライバーのジェームズ(フルトン)とのコンビはいかがですか?
バッチリだと思います。相性は良いと思います。あまり多くを語るタイプではありませんが、言うべきところはアドバイスも含めて言ってくれるので、ノートチェックなどを僕のやりたいスタイルに合わせてくれているのでとてもありがたいです。
小暮ひかる
<SS3終了後> クラス12番手
──午前中のループは順調でしたか?
とりあえずミスなく走り切りましたが、もう少しスピードがおしいといった感じです。ドライビングの面でも改善できるところはあるのですが、セットアップがかなり悪いかなと思っているので、その辺をなんとかしたいです。SS1と2の時点から、僕らはハードタイヤを履いているのですが、数km地点でタイヤがすでにオーバーヒートしてしまって、ずっとアンダーステアが出ている感じなので、ちょっとそこが厳しいです。
──こういうステージでアンダーが出るとつらいですね。
つらいですね。本当はスピードを乗せて、速くアクセルを踏みたいのですが、アンダーが出ているとずうっと待っている感じなので、それで多分タイムロスしていると思います。
──午後はセッティングを変えて臨むのでしょうか。
そうですね、天気はもうドライの方向に向かっていて、逆に気温が上がっていくと思うので、よりオーバーヒートしやすくなります。そのあたりをしっかり見極めて走りたいと思います。
<SS6終了後> クラス11番手
──今日の午後の走りがどうだったか教えてください。
午前中のフィードバックを踏まえて少しだけセッティングを変更してもらい、良い方向に進みました。タイムは縮んではいるのですが、まだもう少しタイムアップしたいと考えています。ドライビングは良い感じに走れていますが、まだ他とのタイム差もありますので、明日もう一度仕切りなおさないといけないと考えています。
──明日のSSはどんな感じですか?
路面は今日と同じでクリーンなんですが、よりツイスティで、霧が出ることも予想されるので、そのあたりを見ながら走りたいと思っています。
──長い一日になりますが、体調管理などは万全ですか?
ヨーロッパに来て4年目になります。長いラリーには少し慣れてきたのかなと思っています。フィジカルトレーニングもラリーに合わせて行っています。そういう積み重ねが少しずつ役立っているとは思いますが、まだまだ疲れる時もありますので、いいリラックス方法を考えなくていかなくてはなりません。
(Keiko Ito)