
©TOYOTA
2025年シーズンWRC第4戦ラリーカナリア諸島(ターマック)は、4月26日(土)に2日目の7SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが首位の座をキープ。45.2秒差の総合2番手にセバスチャン・オジエ、1分08秒1差の総合3番手にはエルフィン・エバンス。総合4番手に勝田貴元と、トヨタ勢が上位を占めている。
ラリー最長を走るデイ2は、島北部の「Moya – Galdar(24.09km)」、「Arucas – Firgas – Teror(13.75km)」、「Tejeda – San Mateo (23.30km)」の3ステージをサービスを挟んでリピート。最後にラス・パルマスでのスーパーSS「Las Palmas de Gran Canaria(1.80km)」で締めくくる7SS、124.08km。この日の天候は曇り。前日の走行を踏まえて、全クルーがハードタイヤ5本をチョイスしてサービスを後にしている。
オープニングのSS7、前日からの好調を維持したカッレ・ロバンペラ(トヨタ)が、セバスチャン・オジエ(トヨタ)に1.0秒、エルフィン・エバンス(トヨタ)に6.9秒差をつけるベストタイム。首位ロバンペラと総合2番手オジエの合計タイム差は27.8秒と、さらに拡大した。少し離れて、43.3秒差の総合3番手にエバンス、1分06秒4差の総合4番手にサミ・パヤリ(トヨタ)、1分13秒4差の総合5番手に勝田貴元が続き、依然トップ5をトヨタが占めている。
初日、トヨタに対して厳しい戦いを強いられたヒョンデ勢は、セットアップを変更して挑んだこの日も、トップ集団のペースには至らない。それでもベストから7.6秒差の5番手タイムでまとめたアドリアン・フルモーが、7番手タイムのティエリー・ヌービルと8番手タイムのオィット・タナックをかわし、総合6番手に順位を上げた。
ステージ内でグリップレベルが大きく変化するSS8も、ロバンペラが一番時計。SS9もオジエに8.4秒、勝田に8.6秒差をつけるベストタイムをマークする。ロバンペラは、総合2番手のオジエとの差を36.9秒に広げ、午前中のセクションを終えた。「本当に気持ち良く走れたよ。このステージは昨日に似ていて、まるでサーキットを走っているような“フロウ(流れ)”があった。ドライビングもマシンもうまくいっているし、ペースノートもとても完璧だ」と、ロバンペラは笑顔で語る。
総合3番手にエバンス、総合4番手にパヤリ、総合5番手に勝田というオーダーは変わらず。5台のトヨタ勢の後方に、フルモー、ヌービル、タナックとヒョンデ勢が続く。ただし総合4番手のパヤリから総合7番手のヌービルまでは30秒差内にひしめいており、午後のセクションで順位が変わる可能性がある。
グランカナリア・スタジアムでのサービスでは、全クルーが午前中と同じくハードタイヤ5本をチョイスして、午後のセクションへと向かった。首位のロバンペラはアクセルを緩めることなく、SS10からSS12まで全てのステージを制してみせる。
SS11では総合9番手を走行していたMスポーツ・フォードのグレゴワール・ミュンステールがコースオフを喫して、後退。SS12では、ここまで総合4番手をキープしてきたパヤリが、フィニッシュ目前で木製のバリアにヒットしてストップ。マシンにダメージが大きく、パヤリはデイリタイアを余儀なくされた。パヤリの脱落で勝田以下のクルーが、ひとつずつポジションを上げている。
この日を締めくくるSS13は1.80kmのショーステージ。大観衆が集まる中、ついにエバンスがベストタイムを刻み、ロバンペラの連続ステージウイン記録を11でストップした。それでもロバンペラは総合2番手のオジエに対するアドバンテージを45.2秒にまで広げて、2日目を走り切った。
「今日もすべてがうまくいったよ。ステージは昨日とは少し異なるキャラクターだったから、最初の2SSはあまりフィーリングが良くなかった。でも、セットアップに少し変更を加えたことで、午後はすべてが改善されたよ。たくさんポイントを持ち帰りたいし、明日も同じようなフィーリングで走れることを願っているよ」と、ロバンペラは冷静にコメントした。
1分08秒1差の総合3番手はエバンス、1分43秒9差の総合4番手に勝田、パヤリを失ったものの、トヨタは以前として上位4台を独占。以下、フルモー、ヌービル、タナックとヒョンデの3台が続く。
競技3日目はSS14〜SS18の5SS、SS走行距離は58.38km。オープニングのSS14は、日本時間4月27日の16時10分にスタートする。
WRCカナリア諸島 SS13後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:22:17.3
2. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +45.2
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:08.1
4. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:43.9
5. A.フルモー(ヒョンデi20Nラリー1) +2:09.6
6. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +2:15.2
7. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +2:37.3
8. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +5:45.9
9. A.カション(トヨタGRヤリス・ラリー2) +6:04.7
10. J.マカリアン(フォード・プーマ・ラリー1) +6:12.3