涙、のち十勝晴れ – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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涙、のち十勝晴れ

 

涙、のち十勝晴れ

「世界ラリー実習」と名付けられた授業の一環として、学生メカニッククルーでWRCに出走している岐阜県の高山自動車短期大学。本来であれば今年も9月のラリーオーストラリアに出場予定でした。

 しかし、6月半ばに世界保健機関WHOが新型インフルエンザの警戒レベルをフェーズ6(世界的大流行/パンデミック)に引き上げたためにオーストラリアへの参戦を断念。
 急遽ラリー北海道へのエントリーとなったのです。

 通常であれば9月までみっちり練習を重ねて挑むところですが、ラリー北海道は7月10日スタート。あと1カ月もありません。
 時間のないなか学生たちは休みを返上し朝から晩まで車両の整備、コンテナの準備に明け暮れました。もちろん、本分である学業も忘れずに取り組みながら。



 というわけで、2カ月前倒しとなった彼らのラリーは2台とも完走、しかも勝田範彦/足立さやか組は5位という最高の結果を得てフィニッシュしました。
 もちろんメカニックとしては“まだまだ”という部分も残ってはいるにせよ、それは今回の経験を糧に、今後の意識と経験とで克服することができるに違いありません。

 ポディウム後のサービスパークには、喜びと感動がごちゃまぜの涙に濡れた顔がありました。記念撮影の後はシャンパンファイトに毎年恒例の胴上げで大はしゃぎ。
 ドライバー、監督、OB、さらには自分たちまでと、十勝晴れの空にはいつまでも胴上げの掛け声が続いていました。

 来年でWRC参戦15周年を迎える高山自動車短期大学。クルーは1年ごとに入れ替わりますが、次はどのようなドラマを見せてくれるのか、今から楽しみです。



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