新シリーズ「RALLY CARS」
vol.07は好評発売中です！
時は80年代序盤。時代はグループBへと移り変わり4WDの時代が幕を開けようとしていたその時、“ラリー”を名に戴く1台のマシンがデビューしました。4WDターボマシンを向こうに回し、タイトルを手中にしたランチア・ラリー“037”の真実に迫ります。
やがて来るはずの次期4WDマシンを待ちながら戦ったその鮮やかな軌跡は多くの人々の心に残り、今もなお、多くのファンを虜にしてやみません。フィアットではなく、ランチアとしてのラリー復帰。そして2WD、ミッドシップ、スーパーチャージャーという選択。それらはすべて、1983年のタイトル獲得に結実します。
2WD最後のチャンピオンマシン、ラリー037の真実とは。
主役交替劇を演出したイタリア経済事情
ランチアが快進撃を続けていた70年代半ば、
イタリア経済は危機に瀕していました。
その渦中にあったフィアットは経営立て直しのため
WRCに参戦する主役の交替を断行します。
一方のランチアは、037で再びラリーへ舞い戻るまで、
しばらく時を待つ必要がありました。
当時の時代背景を紐解いていきます。
フィアット＋ランチア大連合の裏側
ある時はフェラーリF1チームの監督として
映画「RUSH」の時代を戦い、
またある時は日本のF1チームを助けてみせる。
しかし、ダニエル・オーデットの
バッググラウンドは、間違いなくラリー。
037活躍の基盤となる“大連合”の裏側と
それに至る流れを説明してくれました。
RALLY CARS GALLERY
アバルト37番目の“作品”として、
037という名で親しまれるこのマシンは
時代が切り替わる間隙を縫って
王座を獲得するために生まれ
4WD時代の申し子、デルタS4が誕生するまで
第一線を走り続けました。
その機能美を撮り降ろし写真とともに。
PLAYBACK the RALLY SCENE 1982-1986
ランチア・ラリー037は、リザルトよりも
鮮烈な印象で語り継がれてきました。
緩やかな弧を描いて象られるボディラインは、
どちらかといえば華奢な印象ですが、
その後輪は力強く大地を蹴り、
勇ましいエキゾーズトノートを奏で037は走り続けました。
貴重な写真で当時の活躍の様子を振り返ります。
037誕生秘話
のちに037の父と言われるようになった
エンジニアのセルジオ・リモーネ。
長きにわたってアバルトの技術者として
モータースポーツの第一線を駆け抜けた彼が
いま振り返る037の真実の姿や
開発の裏側にあった苦労……。
ロングインタビューのすべてを収めました。
インタビュー：マルク・アレン
前号のレガシィに引き続き
インタビューで登場してもらったマルク・アレン。
フィアットおよびランチアで多くの勝利を収めた彼は
「得意と不得意が笑えるほどはっきりしていた」と
懐かしそうにお気に入りの“玩具”の思い出を
振り返り、語ってもらいました。
Semi-Works & Privateers
037がWRCで記録した勝利は合計6つ。
意外とも思えるほど少ない数ですが、
037がその本領を発揮したのはむしろ
プライベーター用マシンとしてだったかもしれません。
イタリア選手権、フランス選手権、そしてERC
積み上げた勝利は、実に350を超えるほど。
彼らが037を選んだ理由とは？
ベータモンテカルロが繋いだ道
ストラトスが表舞台から去ったのち
ランチアはベータモンテカルロを開発。
グループ５レースやジーロ・ディタリアなど
ラリードライバーとレーシングドライバーが
タッグを組んで活躍しました。
その足跡、マシンの成り立ちを追いかけることで
037の原点が見えてくるはずです。
イラストで見るランチア・ラリー037全記録
ランチアが送り込んだ「ラリー037」は
83年に5勝を挙げてチャンピオンを獲得しました。
しかし、ラリー界はアウディが持ち込んだ
4WDへと大きく舵を切っていきます。
変わりゆく時代を戦った037。
そのWRC全リザルトをプライベーター含め
イラストとともに振り返っていきます。
