■プレビュー
わずか9週間のシーズンブレイクを挟み、FIA世界ラリー選手権は、ラリー・オートモバイル・モンテカルロで新しいシーズンの幕を開ける。世界最古かつ最も有名なラリーである今イベントは、モナコ公国国王殿下と后妃殿下も後援。山岳エリアの変わりやすい天候、難しいタイヤ選択と、シーズン屈指のチャレンジングなコンディションとの戦いだ。
本拠地であるギャップ出身のセバスチャン・オジエは、タイトル防衛に挑む。フォルクスワーゲンのWRC2連覇王者は、過去WRC9連覇を果たしこのモンテカルロでも7回の勝利をマークしているセバスチャン・ローブを迎え撃つ。ローブはシトロエンDS3 WRCでのスポット参戦。さらにヒュンダイとMスポーツも選手権にエントリー。モンテカルロのスペシャリストで昨年は総合2位に食い込んだブライアン・ブフィエは、フォード・フィエスタRS WRCで登場。チェコのマルティン・プロコップも引き続きWRCに挑むほか、WRC2からはイタリアのロレンツォ・ベルテッリがステップアップし、WRカーでの戦いに臨む。ロバート・クビカもWRCへの参戦継続が決まり、今イベントでは18人のドライバーがフルスペックのマシンでエントリーしている。
一方、今季のラリーモンテカルロは、初めてジュニアWRCタイトルが懸けられており、11人のドライバーが2WDのシトロエンDS3で参戦。また4WDのWRC2には11人が登録している。また今季から創設される新カテゴリー、RGTカップ勢が選手権初登場。フランソワ・デルクール、マルク・デュエツ、ロメイン・デュマらがいずれもポルシェ911でエントリー。カレンダーの中でも最も予測不能でトリッキーなイベントに華を添える。
競技スタートに先駆けて木曜日午後には、WRC開幕セレモニーが行われ、著名ドライバーと共にモナコで2015年WRCの幕開けを盛大に祝う。
■2015年ルート
開催83回目を迎える今年のラリーモンテカルロは、ルートの75%以上が修正され、主催者は史上最も難しくなるのではと明かしている。今年は木曜日にモナコで行われるセレモニアルスタートの後、すぐに競技が始まり、ギャップに戻る途中に2本のナイトステージが設定されている。金曜日には新設ステージ3本のループを2回走行するが、モナコ公国に戻る土曜日はトラディショナルなステージ。日曜日はアルプス山脈の奥地が舞台となり、モンテカルロの名物、チュリニ峠のステージも登場する。
ラリーモンテカルロではラリー2規定も適用され、デイリタイアしたクルーは翌日に再スタートすることが認められる。
■ラリーデータ
開催日:2015年1月22−25日
本拠地:ギャップ/モンテカルロ
日本との時差:UTC+1
総走行距離: 1403.08km
総ステージ走行距離:355.48km (SS比率25.34%)
総SS数15
■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC
■主なマシンスペック
・舗装サスペンション
・複合的なタイヤ選択を行う可能性もあり、スタッドタイヤ+ドライ用スリックを組み合わせる場合も。
・車載タイヤは通常2本
・木曜日のナイトステージではライトポッドを装着