今季はエルフィン・エバンスと共にオィット・タナックが復帰するMスポーツWRT。コンディションが多変する開幕戦モンテカルロでは、幅広い経験を駆使した賢明なタイヤ選択が求められる。
この選手権屈指の難関イベントにチーム陣はアイスノートクルーとして、グウィンダフ・エバンスとティモ・カンクネンという豊富な経験を誇るベテランを揃えた。グウィンダフはもちろんエルフィンの実父。カンクネンは、20年に渡りユハ・カンクネン、昨年まではミッコ・ヒルボネンらをサポートしてきた。
拠点がオーツ・アルプスに移る今年のモンテカルロは、例年以上に過酷なコンディションが予想されているため、アイスノートクルーのキャリアが、若いドライバー陣をバックアップする。
昨年はMスポーツWRTでのフル参戦初年を迎えたウェールズ出身のエバンスは、モンテカルロでは6位でフィニッシュしている。13戦を通して様々な路面で速さと自信を磨いてきたエバンスは、厳しいバトルの中でいい滑り出しを決めることに挑む。
「去年は素晴らしいチャンスの始まりだったが、同時にフィエスタRS WRCでは少ししか経験がなかったしモンテカルロの参戦も初めてだったので、何もかも一から覚えなくてはならなかった」とエバンス。
「モンテカルロはどちらにしても難しいイベントだけど、マシンにも慣れてきたし、1シーズンをフルで戦ったから、2年目のシーズンを楽しみにしている」
エストニア出身のタナックは、2012年にモンテカルロに参戦しており、総合8位に食い込んだ。コ・ドライバーにはライゴ・モルダーを迎え、WRCフル参戦復帰戦に臨む。
「とてもタフなイベントになると思っている。一度だけ参戦した2012年は、コンディションはそれほどトリッキーではなかったが、近年はかなり難しくなっている。今年はかなりウィンターコンディションになりそうだから、落ち着きと堅実な走りが必要だ」とタナック。
「年末にテストを行ったが、フィーリングはよかった。2014年はフィエスタR5での参戦がほとんどだったけど、フィエスタRS WRCでの経験も十分積んでいるので、感覚を取り戻すのはそれほど時間はかからなかった。
「一番難しいのは、ツボをつかむことだ。限界とそれを超えるギリギリのツボをつかむことだ。それはすぐにはできないが、スムースにスタートしていけば、いいイベントになるはずだ」
このモンテカルロには、プライベーターも含め計8台のフィエスタRS WRCがエントリーする。ブライアン・ブフィエ、ヘニング・ソルベルグは、Mスポーツチームからの参戦だ。
特にブフィエは、昨年は序盤首位に立っての2位という金星を挙げており、今季の走りにも注目が集まる。そのほか、フィエスタR5が8台、フィエスタR2は2台が登場する。