WRC第9戦ドイツは競技初日を終えて、地元ラリーであるフォルクスワーゲンの3台がトップ3を独占している。
この日行われたのは4本のステージを2回ずつ走行する計8SS。午前中の4SSを追えた段階で、フォルクスワーゲンチームは4SSすべてで1-2-3番手を独占する強さを発揮。首位はヤリ‐マティ・ラトバラ、0.1秒差の2番手でセバスチャン・オジエが続き、3番手にはアンドレアス・ミケルセンという順位となった。4番手には調子を上げてきたシトロエンのクリス・ミーク、5番手にはヒュンダイのダニ・ソルド、6番手には同じくヒュンダイのティエリー・ヌービルが僅差で続く。いずれもターマックラリーでは定評のあるドライバーだけに、生き残れば上位進出の芽もみえてくるものと思われた。 午後のステージが始まってもフォルクスワーゲンの勢いは衰えない。オジエはSS5〜8と連続SSベストをたたき出し、一気にラトバラを逆転。9.5秒差をつけて競技初日をトップで終えた。ラトバラも午後のステージすべてで2番手を獲得する強さを見せた。ミケルセンはSS8でソルドにSS3番手を獲られたものの、スタートから7連続でSS3番手を達成し、路面を問わない速さをアピールしている。 総合4番手だったミークはSS6でコースオフ。90秒近くをロスして初日を終えた段階で25番手までドロップしてしまった。代わってヒュンダイのソルドとヌービルが僅差の総合4番手争いを展開。ソルドはSS7で一時逆転を許すも、1.9秒差で4番手を守っている。5番手ヌービルに13.4秒遅れる6番手につけたのはフォードのエルフィン・エバンス。このエバンスから7番手のオィット・タナック(フォード)、8番手のヘイデン・パッドン(ヒュンダイ)、9番手のマッズ・オストベルグ(シトロエン)まではそれぞれ5秒前後の僅差で続いており、今後も激しい順位の入れ替えが予想される。 競技2日目は軍事演習場の短いギャラリーステージを3度走行する変則的なステージ構成。計9SSだが、SS13/16は大会最長の45.61kmとなっており、ここがラリーを通じたひとつの山場となりそうだ。オープニングとなるSS9は日本時間の14時34分スタート予定。【SS8後暫定総合順位】
1.セバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン) 1:19:13.5
2.ヤリ‐マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン) +9.5
3.アンドレアス・ミケルセン(フォルクスワーゲン) +34.9
4.ダニ・ソルド(ヒュンダイ) +1:06.8
5.ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ) +1:08.7
6.エルフィン・エバンス(フォード) +1:22.1
7.オィット・タナック(フォード) +1:27.8
8.ヘイデン・パッドン(ヒュンダイ) +1:31.4
9.マッズ・オストベルグ(シトロエン) +1:35.4
10.ステファン・ルフェーブル(シトロエン) +2:27.3