APRC第5戦RALLY HOKKAIDO(北海道帯広市、グラベル)は、9月18日にサービスパークが設置される北愛国交流広場で行われたラリーショー、セレモニアルスタートに続き、隣接するスーパーSS、サツナイリバーを1本走行して開幕。19日のレグ1ーbは、帯広市の北東、陸別オフロードサーキットにサービスパークを設置しての9SSを走行。その後、再び北愛国に戻りサツナイリバー2回目の走行でこの日を締めくくった。
ヘビーウェットのコンディションに見舞われた19日は、超スリッパリーな路面にドライバー陣が苦戦。朝からハプニングが絶えない一日となった。
この難しい状況の中、選手権リーダーのポンタス・ティデマンド(シュコダ・ファビアS2000)は、初めての北海道参戦とは思えないほどの対応力を発揮し、SS1から首位に立つと一度もその座を譲らず、SS9以外はすべてベストタイムという圧倒的な強さを誇って、この日だけで8分以上のギャップを築いての総合・APRC共にトップに立った。
一方、チームMRFのチームメイト、ガウラブ・ギルにとっては、オーストラリアでリタイアを喫しているだけに、この北海道はタイトルチャンスに望みをつなげるラストチャンス。しかし、19日の開幕ステージ、陸別オフロードサーキット内を走行するリクベツロング(4.63km )をフィニッシュした後に、なんとマシントラブル。ここでデイリタイアに追い込まれてしまった。
この結果、この日をトップフィニッシュしてデイポイント7を獲得したティデマンドは、APRCノミネートドライバーに義務づけられる最低参戦数5も今回の北海道をスタートしたことでクリアしており、計算上、これで今季のAPRCタイトルが確定したことになる。
ギル以外にも、中国ラリー選手権仕様の三菱ランサーエボリューション EXでエントリーし話題を集めたパトリック・サンデルは、序盤トップ3タイムを連発する活躍を見せながらも、SS5でサスペンションダメージによりデイリタイア。チームメイトのファン・ファンも、SS9で離脱している。
クスコレーシングのマイケル・ヤングは、この日総合3位、APRC2位で折り返し。北海道には、悲喜こもごもの思い出を持つヤングは、スバルWRX STIでの初めての北海道参戦がヘビーウェットと難しい状況に臨むこととなったが、一日を通して堅実に耐え忍ぶ走りを見せた。SS4フィニッシュ後には、マシンに大量の雨が入り込んだために電気系のブレーカーが落ちてしまい、自力での復旧に手間取りTCに22分の遅着。このため3分40秒のペナルティが与えられたものの、その後は再びステージ走行に戻り、タイムアウトの難をギリギリで避け切った。 アジアカップノミネートの高山仁(スバルWRX STI)は、SS4で8分と大量ロスを喫したものの、それ以外はセカンドベスト、サードベストタイムを並べ、この日を総合4位、APRC3位で折り返した。このアジアカップ単独のリザルトでは、ギル、ファンがリタイアしたことで、ヤングがトップ、高山が2位につけている。しかし、前戦マレーシアでヤングがリタイアを喫している一方、高山は3位フィニッシュを決めているため、高山がこのまま順調に今回の北海道戦をフィニッシュすれば、全3戦中2戦でポイントを獲得したのは高山だけとなり、アジアタイトル獲得に向けて大きく前進することになる。 プライベーター陣では、APRCオーストラリア戦の常連で北海道戦も15年間欠かさず参戦を続けている増村淳(三菱ランサーエボリューションX)が、総合2位と日本人最上位につけている。レグ2は、4SSを2回ループする8SSを走行した後、サツナイリバー最後の走行でフィナーレ。17時30分からポディウムフィニッシュが予定されている。