ラリーオーストラリアが終わって、僕は自宅に戻ってきた。
表彰台に上がれなかった悔しさは、それとともに消えた。振り返ってみると僕のラリーオーストラリアでのパフォーマンスはこれまで最高のもののひとつだったと思う。僕のチームメイトが優勝し、彼は3度目のワールドタイトルに輝いた。そして僕のチームも3回目のワールドチャンピオンだ。欲張ってはいけない。僕は着実にステップアップしている。だからこの結果に大満足することにするよ!
金曜日はとてもいい一日だった。僕らの出走順は比較的早い方だったが、終日いいタイムを出すことができた。残念ながら最終ステージでマシンの何かがおかしくなった。オーストラリアに多くいるヘビのようにマシンが蛇行するんだ! 挙動を予測することがとても難しくなってしまったので、フィニッシュできただけで本当にうれしかったよ。
夜のサービスでチームはほぼすべてを替えてくれたから、翌日の朝のフィーリングは完璧に戻った。土曜日も特筆することはなく、いいペースを保つことができた。でも、ライトポッドがボンネットに取り付けられた時に僕は少し間違えてしまったんだ。通常、加速する時はマシンのフロントが少し上がる。ブレーキングの時には少し下がる。僕が考えなかったのは、ステージの大半が下り坂であるということだ。だからライトがまったく使えなかった。ただひたすら真下を照らしていたので僕は路面が見えなかったわけだ! それは僕のミスだったけれど、最終的に大きな影響がなかったのは幸いだった。
日曜日に僕らは総合順位でクリス・ミークを抜いて3位に入ることを目標にした。そして、それは達成できると信じていた。しかしサービスへのTCでのチェックインのタイミングがうまくいかず、10秒のペナルティが科せられた。そして最後にはミークより7秒遅れでイベントを終えた。だから表彰台には上がれるはずだった。でもうまくいかなったよ。残念!
オーストラリアはとても楽しい国だ。訪れるのがいつも楽しみだよ。
ラリー主催者は僕らに様々な体験をさせてくれる。
僕らのホテルには素晴らしいゴルフコースが併設されていて、ゴルフも楽しめた。
でもサーフィンが一番エキサイティングだったかな。
サーフィンは見ているほど簡単なものではないということに気付かされたよ!
インストラクターがやると簡単に見えるんだ。でも実施に自分たちがやるとなると……。僕らはプロのアスリートだから、うまくできるように精いっぱい頑張った。なかなかのチャレンジだったし、僕らはチャレンジが好きだから楽しむこともできたよ!
あとオーストラリアで有名なのは野生生物だ。だけど今回は可愛いカンガルーとか、その他の大きな動物についての話じゃない。僕が怖いのは小さいもの。特に足がなくて地面を這うもの……。そう、僕はヘビがこわいんだ。考えただけでイヤなんだから、見たらどれだけイヤか分かってもらえるよね? 今年は幸運にも一匹も遭遇しなかった。ロードセクションでタイヤを交換する時の僕のドキドキする気分を考えてほしい。ステージ後には必ず交換するんだから! 僕は脇目もふらずにとにかく自分がやっていることに集中する、と心のなかで自分に言い聞かせていたよ(笑)。
レッキ中には別の生き物に出会った。ドライビング中に脚が急に痒くなって、何も考えずに足に手をやったらそこにウジ虫のようなものが付いていたんだ! 僕の脚の皮膚の中に潜り込もうとしていたんだよ! 僕は急いでそれを取ったけれど、しばらく出血が止まらなかった。その後、チームドクターに診てもらったけれど毒性がないので大丈夫だとのことだった。でもそれを思い出すと、どうも自分の脚がいつもとは違うとしか思えない。なんだかむずむずするし、いろいろ想像してしまうんだ。くだらないということはよく分かっているし、臆病者の考えることだとも思うけどヘビ、クモや虫については子供のように怖いんだよ!オーストラリアでは猛毒を持った種類も多くいると聞いているしね……。
次の週末はノルウェーラリー選手権にイーブンマネージメントのシュコダ・ファビアS2000で出場する予定だった。残念ながら大雨と洪水のためにキャンセルとなってしまった。ペトラという台風がノルウェー南東部を直撃して、浸水が激しい状態になったんだ。ラリーどころの騒ぎではないよね。次はコルシカ用のイベント前テスト、そしてその後はツール・ド・コルスだ。IRCの頃に僕は何度か走っているし、いい結果も出しているからとても楽しみなイベントだ。
ではまたコルシカでのラリーの後に!
アンドレアス