今週末に開催されるWRCスペイン戦では、マニュファクチャラーズ選手権争いと共に、ドライバーズ選手権でもヤリマティ・ラトバラvsアンドレアス・ミケルセン、フォルクスワーゲン・モータースポーツのチームメイト同士の2位を巡っての攻防が注目だ。
WRCスペイン戦はここ2年、セバスチャン・オジエが連覇を果たしており、昨年はドライバーズタイトルをここで決めている。2013年は、フォルクスワーゲンが初のマニュファクチャラーズタイトルを決めた、思い出の多いイベントでもある。
いずれの年も、ラトバラが2位に入ってVWの1-2フィニッシュを果たしており、ラトバラは今年、ドライバーズ選手権2位の座を固めに入りたいところだ。一方、34ポイント差で追うミケルセンは、2位に上がるためには踏ん張りどころ。このスペインを終了した時点でラトバラがミケルセンとの差を28ポイントまでに抑えれば、選手権2位が確定する。
しかし今年のスペインは、51%が新設ステージ。キャリアの少ないミケルセンにとっては、追い風になりそうだ。一方でラトバラは前戦コルシカで今季3勝目をマークしており、舗装での苦手意識もすっかり払拭。初日のグラベルに続き、デイ2・3の舗装路面でも活躍が期待でき、両者のバトルは注目の一つとなる。
母国戦のコルシカでは今一つの結果に終わったオジエだが、スペインは連覇中。「ここ2年間はいい思い出ばかり。2013年にマニュファクチャラーズタイトルを決めた時の、チーム全員の笑顔が忘れられない」とオジエ。
「コルシカが残念な結果に終わっただけに、今年も何か祝う理由が欲しい。昨年はヤリマティと激戦になったから、今年も厳しい戦いになると思う。タイトルは確定したが、言うまでもなくハードプッシュは続けていく」
そのラトバラは「昨年のオジエとのバトルでは、フィニッシュまでハードに攻め、パワーステージではベストタイムもマークした。残念ながらわずか11秒差で勝利は逃したけどね」とコメント。
「昨年は、2日目からの舗装に充填を置いていて、グラベルでは100%の力が出せなかった。でもスペインでは、勝負したかったらグラベルでのセットアップも大切。去年はそれを学んだ。コルシカで勝ったことは間違いなく大きな自信となっている。今年も残り2戦だが、どちらも勝ちに行くつもりだ」
そのラトバラにドライバーズ選手権2位争いを挑むミケルセンは「今年は新しいステージも多いので、僕には後押しになる」とコメント。
「新しいセクションに取り組むことは大好きだし、そういった状況では速さを見せることができている。でも、グラベルから一晩で舗装にスイッチするのは難しい。できるだけ早くリズムをつかみたいね。昨年は土曜日にパンクして2分以上もロスをしてしまい、7位に終わった。でもそれがなければポディウムに上がっていた。スペインはまだミスなしで走り切ったことがないので、トラブルフリーで走り切ることが今年の目標。ヤリマティがコルシカで勝ったので、ポイント差は広がってしまったが、まだあきらめていない。ただ、自分にはプレッシャーを与え過ぎないようにしている」