ERC最終戦ラリーデュバレー(スイス、ターマック)は10月30日、レグ2に設定された7SSの走行が行われ、開幕3SSで首位につけたクレイグ・ブリーン(プジョー208 T16)が、この日5本でベストタイムをマークする快走を披露。前日までの15.4秒リードを55.9秒まで広げて、首位を守ってこの日を終えた。
晩秋の山岳路には、湿った路面に落ち葉が張り付くなどトリッキーなコンディションとなったが、ブリーンは落ち着いた走りを見せた。
「プレッシャーもなく、とにかく自分で楽しみながらラリーをするのはいいね」とブリーン。
「ステージウィンをたくさん獲得したし、マシンには何のトラブルもないから、すごくハッピーだ。とにかく道の真ん中を走り、リスクは負っていない。十分なリードを築いたから、明日は冷静を保って勝利を獲得することを目指すよ」
前日2位につけたデュバレーのスペシャリスト、オリビエ・ブリ(シトロエン DS3 RRC)は、インターコムのトラブルを引きずった上に、タイヤチョイスにも失敗。ブリーンにプレッシャーをかけられないばかりか、デュバレー初参戦のアレクセイ・ルキヤナク(フォード・フィエスタR5)からプレッシャーをかけられる戦況に持ち込ませてしまった。ブリは2位の座は死守したが、この日最後のステージでベストタイムを叩き出したルキヤナクも13.8秒差に迫っている。 R-GT規定のポルシェ997で4位につけていたフランソワ・デルクールは、ツイスティな山岳路でドリフトを存分に披露。リアサスペンションを破損しこの日終盤は慎重なアプローチとなりながらも、4位の座を守っている。 ERCジュニアタイトルを獲得した特典で、プジョー208T16で初めて4WDマシンでのERC参戦に挑んでいるエミル・ベルクビストが、総合6位を奮闘。18歳で初めてシュコダ・ファビアR5を駆るニコライ・グライジンは、前日のパンクから追い上げ9位につけるなど、若手の活躍が注目を集めている。ERC2タイトルをかけて前日部門首位で滑り出したデビッド・ボッカ(三菱ランサーエボリューションIX)は、4本のベストタイムをマークしてトップを堅守。ERC3でもアレクサンドル・フィリップ(ルノー・クリオR3 Maxi)が首位を守っている。
競技最終日となるレグ3にも7SS、114.66kmが設定される。