WRCラリーGBのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。完璧なシーズンを目指したが、スペインでコースアウトを喫したことを悔やむオジエ。相棒は完璧だったという賞賛に、イングラシアが素直に申告した。
●WRCポストイベントカンファレンス出席者
1位:セバスチャン・オジエ=SO(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
1位:ジュリアン・イングラシア=JI(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
2位:クリス・ミーク=KM(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
2位:ポール・ネイグル=PN(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
3位:アンドレアス・ミケルセン=AM(フォルクスワーゲン・モータースポーツII)
3位:オーラ・フローネ=OF(フォルクスワーゲン・モータースポーツII)
ヨースト・カピート=JC(フォルクスワーゲン・モータースポーツ代表)
Q: セブ、チャレンジングな週末だった。勝利を手にした気分は。
SO: 複雑な気分だ。これを繰り返すのが辛くなり始めてきた。誰もあのことは話したくはないが、パリでの惨劇を忘れるのは難しい。もっとレースのことを話すようにするよ。とてもチャレンジングな週末だった。いわゆるラリーGBらしいラリーで、雨とマッドが多いが、いいレースだった。スポーツ面では、本当にハッピーだ。今はあまり喜びを表せないかもしれないが、もちろんこの結果でシーズンを終えることをうれしく思う。今季8勝、GB3連覇と、かなりいい数字だ。これを実現させてくれたフォルクスワーゲンのチーム全員に感謝したい。完璧なシーズンにしたいと言ったが、スペインでの一回のミスを除けばほぼ完璧だ。でも、コ・ドライバーのジュリアンは何のミスもなく、完璧なシーズンだった。お見事だ、ジュリアン。
Q:ハイライトは何か。
SO: シーズンのハイライトは、何と言ってもタイトルだろう。No.1のターゲットだ。これを果たすためには勝利を重ねなくてはならないが、もちろん勝つのはうれしいし、そうすればさらにもっとよくなる。一番大きかったのはドイツ。僕自身のためにも、チームのためにも欲しい勝利だった。僕以上に、彼らのためにも満足の結果だった。そしてモンテカルロだ。ホームイベントだし、ここで勝つのはいつでもクール。シーズンで最もチャレンジングな一戦だしね。いつもここでは勝つことを目指しているし、2ヶ月後もそうだよ」
Q:ジュリアン、完璧なシーズンだったということだが。
JI:正直、完璧に近かったが、そうでない部分もある。セブ、覚えてるか、アルゼンチンでのレッキだ。左に曲がるジャンクションで…。正直に言うよ、今年は一つミスがあった。目標はミス0だったから、来年はまたがんばるよ。
Q:今回の勝利はうれしいのでは。
JI:とてもうれしい。今年のGBは難しかった。セブも言ったように、2008年以来、ここにはいろいろな思いがある。ステージにはたくさん観客がいた。コンディションはひどかったが、Tシャツ短パン姿の人もいた。ここでは普通の気候なのかもね。もしリクエストがあるとすれば、ステージ率を増やして欲しい。昨日は15か20%だったが、25%は欲しい。来年の課題にしてもらえれば。
KM:よかった。目標はマニュファクチャラーズ選手権でシトロエンを2位にすることだった。そのためには、いい仕事をしなくてはならないと自覚していた。マッズはこのイベントに強いし、自分もそうなるはずだと思っていたが、彼がミスをした後は、プレッシャーが重くなった。それを楽しめたよ。今後のことが決まるまでは、これが最後のラリーになる。僕のキャリアはいつも、最後のラリー続きだったから、それを忘れようとした。ここのステージは好きだし、とても心地よかった。
Q:デイ1はセブと接戦だった。
KM:自分のフィーリングに集中していた。Hafrenはいいタイムだったが、このコンディションの中、Hafrenはフルウェットではなく、スリッパリーな場所もあった。あそこでは、ドライなのにもっとスリッパリーのところもあったから、本当に不安定で、自信があれば1ステージで数秒は広げられたかもしれない。真剣にセブを脅かせるとは思わなかった。彼は、ほぼ勝利を手中に収めていたからね。でも2位でフィニッシュできてうれしい。このイベントを楽しめたし、シトロエンのために貢献できたと思うし、初めて2位を獲得できたしね。
SO:クリスはちょっと謙虚すぎるよね。彼のパフォーマンスは素晴らしかったし、僕に余裕があったなんて誰も言わないよ。僕は攻めてたからね!でも、彼は週末を通して速かった。1、2本、いいタイムを出した後に、すごいタイムで終わるドライバーもいるんだよ。
Q:イブ・マトンに関して聞くが、将来についてはまもなく分かるのか。
KM:彼が話すと思うよ。少なくとも、彼から誰かに伝わるんじゃないかな!
Q:いずれにしても、まもなく決まるはずでは。
KM:選手権登録のためには、いつまでに決めなくてはならないのか、僕には分からない。前にも言ったように庭が草だらけになっているから、庭仕事の時間はあるんじゃないかな。僕にとっては、自分なりにここまでWRCでベストのパフォーマンスを見せてきた。アルゼンチンはよかったが、フォルクスワーゲンにトラブルが続出した時の勝利だ。今回はスタートからフィニッシュまで2位につけていたし、いいタイムも出した。アルゼンチンではナーバスになっていたし、あまり調子はよくなかった。でも、今回は手応えを感じたし落ち着いていた。いつもこんな感じで進めなくてはならないが、まずは今後のことが固まらないとね。
Q:ポール、いい週末だったのでは。
PN:ラリーのスタートから素晴らしい週末だった。いいペースを築けたし、ドラマもなかった。クリスは安定してセカンド、サードベストタイムをマークしていた。僕的には、非常に手堅いパフォーマンスだった。
Q:来年に向けて充分なアピールになったと感じるか。
PN:含みのある質問だね。モンテカルロでマシンに乗っているだろうと思いたいね。シーズンを通して充分な仕事をしたし、特に後半は、ここにいる2人やヤリマティと渡り合えたのは僕たちだけだった。
Q:アンドレアス、シェイクダウンやテストが不参加になり滑り出しは厳しかったが、素晴らしいラリーだった。
AM:そう悪くなかったね。もちろん、ラリー前は不安だった。テストもシェイクダウンも参加できなかったから、スペインの舗装の次に走ったのが、Hafrenのひどいコンディションだった。ビッグチャレンジだったけど、すぐにリズムをつかめたからラッキーだった。素晴らしいラリーになった。3位だけど、クリスとセブとは差が大きいから、何か起きた時に備えなくてはならないというプレッシャーしかなかった。これ以上はできないというほどのパフォーマンスだった。土曜日はスペアを1本しか積まなかったのに2回パンクに見舞われたから、安全モードにシフトした。
Q:今季は初勝利を目指していて、1勝をマークした。
AM:みんなに期待されていた初勝利を手にした。来年はもう少し速くなって、安定感を維持しなくてはね。
Q:オーラ、いい週末だったか。
OF:素晴らしいよ。記者会見に呼んでもらうことができてうれしい。昨日は長い一日だったが、観客がたくさんいてみんなが応援してくれたので、母国にいるような気分だった。
OF:僕は泣いていた、って言わせたいのかな? 違うよ、僕は汗をかいていたんだ! 最高の画像がTVで流れていたから、君がそこにいればよかったのにね。今回、リグループの時にペター・ソルベルグが僕のところにきて、TVで見たって言うんだ。「分かるよ! こらえ切れないんだよ、僕も泣いていた」
Q:ヨースト、フォルクスワーゲンにとって衝撃的なシーズンだった。どのようにまとめるか。
JC:フォルクスワーゲンにとって素晴らしいシーズンだった。3シーズン目で3連覇だ。それに、今年は一番勝利を重ねた。13年から14年、そして15年と年々成長している。でも、成功だけでなく、経験を重ね、チームが成長し、共に戦ってきた。これは勝つことと同じくらい、いいことだ。
Q:今年一番うれしかったことは。
JC:シーズンの始まりに我々の3台とクルー6人がポディウムに上がったこと。これ以上のことはないし、それにドイツもハイライトの一つだ。母国戦で2年間、勝利に届かなかったが、ポディウムを独占した。チーム全体にとって、本当に感激した瞬間だった。
Q:昨年の最終戦では、ドイツでの勝利とアンドレアスの初勝利を望んでいた。いずれも達成した今、次は何か。
JC:
全部勝って、さらにアルゼンチンでも勝つ。そうなったら最高だね。