暖冬で開催が危ぶまれアイテナリーが大幅変更と、スタート前から大混乱のラリースウェーデン。通常なら、シーズン唯一の本格スノーラリーとして、雪面に食い込むスパイクタイヤの威力をいかに効率的に発揮させるかが勝負となるところだ。
しかし今年は、0度を下回らない気温により氷が溶けてステージによっては泥濘路となっている部分も多く、ドライバーからはトリッキーなコンディションを懸念する声も聞かれる。
ところが、ことグリップ量に関して言えば、このルーズグラベルでも、スパイクタイヤの威力はアドバンテージになり得るという。
フォルクスワーゲンの計算によれば、384本のスタッドを埋め込んだミシュランのウィンタータイヤでは、アイスやスノーよりも、通常のルーズグラベルの方がよりグリップが得られるとしている。同チームがアルゼンチンを走行した際の0-100km/hの到達距離は平均124.87m。これに対し、スウェーデンのグラベルでは107.32mだったというのだ。
週末には雪の予報も出ているというスウェーデン。スノーにもグラベルにも強い“スパイクタイヤマスター”の称号を得るのは、どのドライバーだろうか。