今週末に開催されるラリーフランスに向けて、フォルクスワーゲン・モータースポーツ陣営もシェイクダウンに参加。3.8kmのショートコースでは、ヤリマティ・ラトバラがトップタイムをマークし、母国フランス戦で2度目のタイトル確定を狙うチームメイト、セバスチャン・オジエに向けて、宣戦布告を放った。
オールターマック路面のラリーは、今季2度目。アルザスの林道や狭い街道を高速で駆け抜けるステージが特徴だ。
シェイクダウンでは、ラトバラに1.7秒差をつけられたオジエは「昨年はここで、自身初の世界タイトルを決めるという、忘れられない経験ができた」と昨年の感動を振り返る一方、僅差のタイトル争いに警戒を見せる。「今年は状況がまったく違う。ヤリマティに6ポイント以上の差をつけなくてはならないし、今の彼には勢いがあるから、簡単にはいかないと思う。でも、僕もいい感触をつかんでいる。シェイクダウンでのポロR WRCは完璧だったし、コンディションはいい。できるだけ早くリズムをつかんでいきたい」
対するラトバラは「シェイクダウンは、ターマックのコンディションに慣れるためにはとても重要。いいフィーリングが得られたし、スタートが楽しみだ。目指すのはもちろん、ターマックラリーでの初優勝。いつも目前で逃してきたからね。このことだけに専念し、ドライバーズ選手権のことはあまり気にしない。タイトル争いでセバスチャンに追いつけるチャンスは少ないからね」
ヨーロッパ選手権時代はターマックを不得意としてきたアンドレアス・ミケルセンだが「いいテストができた。レッキ、今日のシェイクダウン、すべて順調だ」と手応えを見せる。「フランスでは、スタートから速さを出すことが鍵。この挑戦に向けて、準備は万端だよ」
オーストラリアでマニュファクチャラーズタイトルを確定させ、チームメイト同士のドライバーズタイトル争いを見守るチーム代表のヨースト・カピートは「間違いなく、最高にエキサイティングなラリーになる」と、高揚感すら感じさせる。「私たちのドライバーふたりが、ドライバーズタイトルを決める争いに挑んでいく。今日のシェイクダウンを見れば、準備が整っていることがよく分かる。一方で、ここはシトロエンの母国戦だし、Mスポーツもヒュンダイも、ここでの勝利を狙っている。ファンのみなさんには、一瞬でも見逃さないことをお勧めするよ」