WRCスウェーデン・ポスト会見「シャンパンボトルに水を入れた」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCスウェーデン・ポスト会見「シャンパンボトルに水を入れた」

©HYUNDAI

WRCラリースウェーデンのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。パワーステージでポールをなぎ倒したパッドン。フィニッシュ後、ラジエターから水蒸気が上がるトラブルへの対応にセレモニーのシャンパンを使った事を明かした。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者
1位:セバスチャン・オジエ=SO(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
1位:ジュリアン・イングラシア=JI(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
2位:ヘイデン・パッドン=HP(ヒュンダイ・モータースポーツ)
2位:ジョン・ケナード=JK(ヒュンダイ・モータースポーツ)
3位:マッズ・オストベルグ=MO(MスポーツWRT)
3位:オーラ・フローネ=OF(MスポーツWRT)
ヨースト・カピート=JC、フォルクスワーゲン・モータースポーツ代表

VOLKSWAGEN

VOLKSWAGEN

Q:
セブ、今季2勝目おめでとう! この週末はどんな展開になるのか予想がつかなかったが、どんなラリースウェーデンだったか。
SO:
望んでいた場所で終えられれば、いい週末だ。自分のこの一週間には、もちろんハッピーだ。特に週の始めのことを思えばね。難しいイベントになると思われていた。レッキの間もコンディションがかなり悪かった。でも、ようやく天候が変わりいい流れになってきた。主催者は、レッキの後にステージを修復してくれて、僕たちのためにできる限りいいコンディションを作り出してくれた。最終的にイベントの70%を行う事ができた。それでもいいコンディションでいいイベントになったし、みんなにとってもいいショーになった。


Q:
速度も高くリスクも大きかった、特に昨日は。タフな一日だったか。
SO:
極めてタフだったね。TVを見ている分には見応えがあったと思うが、マシンの中にいる身としては恐ろしい感じだった。かなり危ない場面もあったが、このラリーの最速コーナーだったので、絶対クラッシュしたくない場所だった。タフな週末だったよ。昨日はリードを守るために、今までにないくらいハードに戦わなくてはならなかった。新雪を一番手で走るのはもちろん難しかった。特にバーガセンだね。戦略はとにかく攻めるのみ。全てのリスクを負い、何が起きても後悔しないし、問題じゃないと思った。まだシーズン序盤だからね。走行順としては選手権リーダーでいるのは難しい立場だから、自分のセオリーはうまく行っている時は全てのリスクを覚悟して差を広げる。選手権にとってもいいことだし、次のラリーではもっと厳しくなってしまう。リスクは負ったし、運もあったことも認めるが、勝つためにはいずれにしろ多少の幸運は必要なんじゃないかな。もちろん、どの週末もこのようにはいかない。次のイベントは、もう少し分別を持つべきだろうね」

Q:
パワーステージでは余裕でポイントを狙えたようだが。
SO:
週末のどことも比較できない。素晴らしいグリップだった。週末の前半とはグリップレベルが完全に違っていたので、自分のセットアップは全く合っていなかった。たぶん、他のドライバーも同じだと思う。グリップレベルは高かったんじゃないかな。いつも通り、マシンでいい感触が得られて可能だと思えば、追加ポイントを狙うよ。シーズンの終盤になってあと何点必要になるかは、誰にも分からないからね。ポイントを逃す手はないよ。今回もそうしただけ。

Q:
次のラリーメキシコは100回目のWRC参戦となり、ジュニアカテゴリーでWRCへの挑戦を始めたイベントでもある。特別な計画はあるか。
SO:
まだ何も計画はしていないが、そうだね、何か考えないといけないね。一番のお祝いは、勝つ事だ。今回も、ハードになるだろうね。メキシコにはいい思い出がたくさんある。2008年、ジュニア部門で初めてWRCに参戦し、部門優勝した。だからあそこから夢が始まったようなものだ。この3年間もWRカーでいい結果を続けている。メキシコに行くのは、自分にとってポジティブなことが多い。このサクセスストーリーを続けていきたいね。

VOLKSWAGEN

VOLKSWAGEN

Q:
タフなチャレンジだったが、勝てる手応えはあったか。
JI:
この週末は、左にラトバラを乗せてドライブしているような感じだったよ!ドリフトしたりすることもあったから、もうどうやってやるか分かったよ! タフなチャレンジだったし、今回トップでいられてうれしい。不思議な一週間だった。変更がたくさんあったから、コ・ドライバーとしてはそれらに対応して、必ず正確に、ロードブックの読み違えのないようにして、計測やその他の変更も適正に行わなくてはならなかった。エキサイティングだったし、2つのことを伝えたい。一つはステージのボランティアたちに感謝していること。この寒さのなか、一日中待機していてくれた。

もう一つは、この一週間に起きた出来事について言いたい。これは自分の意見だ。ロレンツォ・ベルテッリは、レースを止める決断をした。彼はその理由を説明した。自分の考えでは、僕たちやチームは毎年、何千通ものメールを主催者やFIA、時にはプロモーターにも送信して、ラリーをよくしようと努めている。ラリーを盛り上げるために。かなりプロフェッショナルな姿勢でそういうことをしている。そして、こうしたメールや協力がなければ、多くのことが正しい方向に進んでいかないと僕は思う。だから、僕らは一緒に取り組むんだ。そして、FIA、プロモーター、主催者、チーム、そしてクルーにそれぞれのレベルがあることに、僕は少し驚いている。そして、僕にとっては、これは僕らがどうにかすることではないし、どうやって取り組むかということでもないし、僕らは同じレベルであるべきなんだ。自分は王様にはなりたいわけではないし、操り人形にもなりたくない。いろいろな事が起きた今週のように、自分たちが決定を左右させるような方法は、正しい方法ではない。何としても、これを変えなくてはならない。これはラリーのためにもなるし、そうすればクルーもやり方を尊重すると思う。僕らがやっていることはすべて、文句ではない、それを忘れないで欲しい。ただ、ラリーをよくするためだけなんだ。僕らは関係者同士でミーティングを行うし、同じレベルの理解を得るために必要なことは全て取り組んでいくが、今はこのことについて僕は混乱している。メディアコンファレンスで話し合うことではないけどね。

HYUNDAI

HYUNDAI

Q:
ヘイデン、新型i20での初ラリーだったが、素晴らしい走りの末に2位でポディウムフィニッシュ、ハッピーか。
HP:
もちろん。新しいマシンで、この週末は高い期待を寄せていた事ももちろんだ。すべてがかなり順調に進み、金曜日の午後や、デイ2のステージでは走行順のアドバンテージもあった。新型マシンは、本当に動きがよくなった。チームのためにポイントを獲ることが重要だったから、不必要なリスクを負う立場にはなかった。このことを考えれば、この週末の速さはなかなかよかった。かなり改良できると思うよ。

Q:
最後に、ステージのポールにヒットしてラジエターにダメージを負っていた。どれだけ心配だったか。サービスに戻るためにシャンパンを使ったのか。
HP:
ポールに引っかけたんじゃなくて、がっつり行ったんだよ。たぶん人生の中で一、二を争う最悪のステージだと思う。どうしてセブがパワーステージでフルポイントを狙いに行ったのか、分かった気がする。中途半端な状態だとドライブするのがとても難しいし、何も起こらないように見える。ポストにヒットして、何も起きていないわけはないと思った。ラジエターに小さな穴が開いていた。蒸気が上がったのを最初に見た時、まずいことになったと思ったけど、幸い小さな穴だけだって分かったから応急処置ができた。シャンパンボトルに水を入れて、それで走り出したんだ。

Q:
戻れないのではないかという不安は見せなかったが。
HP:
見えていなかったかもしれないけど、最初は不安だったよ。

Q:
この週末で、自信は高まったと思うか。
HP:
かなりね! 改善できるところはたくさんあると分かっている。自分のドライビングには満足していなかった。いいステージもあったが、目指すレベルには達していないのは確か。自分のアイディアを煮詰めていくテストがもう少し必要。グラベルに出れば、向上できると自信がある。メキシコとアルゼンチンは、あまり経験のないラリーだ。目指しているのはヨーロッパでのグラベル2戦。だから、次の2戦では成長を続ける事に費やし、ポルトガルを迎えるまでにトップ争いができる位置につけていきたい。

HYUNDAI

HYUNDAI

Q:
リスクは一切負わなかったが、セブとの差が8.8秒に迫った時も、自分たちは行けるとは思わなかったか。
JK:
もちろん思ったさ。バーガセンとレーメンはどちらも好きなステージだ。レーメンではコンディションが大きく変わっていたのはとにかく不運だった。それでタイムをロスしてしまった。だから、バーガセンでは攻めて、この2本では1本勝って1本負けた。

Q:
コ・ドライバーにとってタフなチャレンジだった。目まぐるしく変更していく中で、トップ争いをしなくてはならなかった。
JK:
糊やらピンやらホチキスやらテープだらけのロードブックがすべてを物語っているよ! 少なくとも情報が入ってきたのはよかったし、また全部を元に戻す事ができるからね。最終的には、それほどハードではなかった。スウェーデンは、そんなハードな場所じゃない。心から楽しめた週末だった。そんなに大きな期待はしていなかったから、思い出の一戦になると思うが、やることはたくさんありそうだ。シーズンのこの先も、この感じで行けたらいいね。

M-SPORT

M-SPORT

Q:
マッズ、今季わずか2戦目でMスポーツでの初ポディウムだ。この週末の内容には満足か。
MO:
タフなラリーだった。みんながずっと話していたが、この週末がどうなるのはまったく分からなかった。ラリーがスタートしてからも、ステージが何本行われるかも分からなかったので、かなりタフだったね。この週末は自分のウィンターラリーの経験を活かしたいと思ったが、たぶんそれはなかった。いいラリーができたし、雪がなくてもラリーをエンジョイしていた。オーラと僕の息もピッタリだった。モンテカルロから、また一歩前進した。今日もそうだし、週末の間もずっと、何年も一緒にやってきたんじゃないかと感じるくらいだった。マシンの動きも本当によかった。この先のラリーが本当にワクワクするよ

Q:
メキシコを楽しみにしているか。
MO:
日差しが待ち遠しいね。ステージもいいし。

Q:
メキシコでは80kmのステージも待っている。特別な準備をしているか。
MO:
特にしていない。タフで長いステージだ。ステージに挑む時はいつも、長いステージだと思うが、リズムをつかめば長い時間、そのリズムを続けることになる。でもステージへのアプローチは同じなんだ。タイヤとブレーキには、特に配慮するだろう。それ以外は、ラインに入ったら、いつもより少し長くそこに留まるだけだ。

M-SPORT

M-SPORT

Q:
オーラ、君にとってもいい週末だったか。
OF:
自分たちの出来には満足している。マッズとのマシンで過ごす時間は素晴らしかったし、彼が言ったようにどんどんとよくなっているし、ずっとずっと前から一緒にマシンにいるような感じだ。最もタフだったのはナビゲーターとして変更されたカ所を修正していくことだが、主催者はナビゲーターたちにもいい対応をしてくれた。我々に与えられた情報はとても分かりやすく、ロードブックや時間など、かなりたくさん変更があった。

Q:
ヨースト、今回もフォルクワーゲンの勝利だ。全体としてこの週末をどう感じるか。
JC:
難しい週末だったが、やっと成功につなげることができた。我々にとってだけでなく、スウェーデンやラリーにとってもね。タフな一週間だった。月曜日は主催者、FIA、全チームで話し合いを行った。どのようにラリーができるのか。そしていい落とし所を見つけた。それから木曜日に、ステージや天気の情報を基に再び話し合った。とてもプロフェッショナルで、非常にいい連携ができた。だからこそ、ラリーがとてもいい形になったのだと思うし、天気も変わったのだと思う。ラリーがキャンセルにならなくてよかったと思う。安全でとてもいい、競技性のあるラリーができた。

Q:
ヤリマティにとっては厳しい滑り出しとなった。
JC:
これまでに経験のなかったようなマシンのテクニカルトラブルだったので、とても苦い気持ちだった。パーツがなくなってしまったので、何のトラブルだったのか分からない。モンテカルロもスタートがよくなく、今回もだ。彼は昨日、再スタートして、とてもコンペティティブな走りをして、いいムードになっていた。これで、メキシコでは走行順のアドバンテージが得られる。彼はそれを活かしてくれるよ。

Q:
アンドレアスは優勝争いを望んでいた。彼のパフォーマンスの基本的なことについてどう考えるか。
JC:
オンボードやタイムを見れば、彼のパフォーマンスは本当に素晴らしい。彼は今でも成長しているし、どんどんよくなっている。コ・ドライバーが新しくなったので、コンビに慣れなくてはならない。彼の目標はポディウムに上がる事だけではなかった。昨年、目前に迫ったように、ラリーに勝つことだった。それにもちろん、彼はもう少しリスクを負わなくてはならなかったし、ミスもしたので、それが4位という結果になった。彼は何が悪かったのか分かっている。もちろん、このことで彼はもっと強くなれる。

Q:
そしてセブとジュリアンは素晴らしいラリーになった。
JC:
今回も見事なパフォーマンスだった。最もハードに取り組んだ者に運が巡る。もしラリーを勝ちたいなら運も必要だが、運は自分で引き寄せなくてはならない。しかし、セバスチャンとジュリアンや、彼らのレースは文句なしに素晴らしかったし、共に完璧な仕事をした。しかし彼らにおいても、簡単なことではないことも見て取れた。戦いは本当に激しくなっている。新しいヒュンダイはとてもいいラリーマシンだ。彼らは我々の強敵となる。フォードやシトロエンも同じだ。クリス・ミークのタイムは素晴らしかった。セバスチャンとジュリアンは、先頭走行なので特に必死で戦わなくてはならない。リスクもたくさん負わなくてはならないので、見ているほど簡単ではない。



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