第10戦オーストラリアはすべての日程を終了。フォルクスワーゲンが初日から盤石の1-2-3体制でマニュファクチャラーズタイトル連覇を確定させた。
前日は3位の座をかけて熱戦を繰り広げていたフォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセンとシトロエンのクリス・ミークは。しかしミークにペナルティが科されたことで、ミケルセンは単独3番手に。首位のセバスチャン・オジエと2番手ヤリ‐マティ・ラトバラとの差は11.8秒、2番手ラトバラと3番手ミケルセンの差は13.5秒と、フォルクスワーゲン勢3台が僅差で並んでいる。
この日オープニングのステージとなったSS15ではラトバラが、SS16ではオジエがそれぞれベストを獲得した。午前中最後のSS17では、オジエがリスクを避けてややタイムを落としたのに対し、ラトバラはハードプッシュ。ところがラトバラはプッシュしすぎてミスし、SS2番手タイムにとどまった。SS17後、サービスの段階でふたりの差は8.7秒と、ややラトバラが巻き返した格好だ。
午後のオープニングとなったSS18ではオジエがトップ。1.2秒差でラトバラが続くが「オジエを捕まえるには、彼に何か起きない限り難しい」としながらも「スプリットは見ずに、自分のリズムで走る」とまだ勝負を諦めていない様子だ。
その言葉どおり、続くSS19ではラトバラがトップタイム。しかしオジエも1.9秒差のSS2番手タイムで、でピタリと背後につける。これでふたりの差は8秒ちょうど。残すは9.23㎞の最終SS、パワーステージのみだ。
このSS19では総合6番手を走行中だったシトロエンのマッズ・オストベルグがサスペンションにダメージを負って大きくタイムロス。ステージは走り切ったものの、13番手まで順位を落とすこととなった。
そして迎えた最終ステージ、SS20。ラトバラは渾身の走りでSSベストを獲得し、ボーナスポイント3点を加算することに成功した。対するオジエはSS2番手タイムでフィニッシュ。見事に今シーズン6勝目を挙げた。これでフォルクスワーゲンは2年連続のマニュファクチャラーズタイトルを確定。さらに初めての1-2-3フィニッシュで表彰台を独占してみせた。
次戦の舞台はフランス。10月3〜5日にかけてアルザスで開催される。現在ランキングトップのオジエは、ここで勝利の美酒とともに2年連続のドライバーズタイトルを決められるか?
WRCオーストラリア:暫定総合順位
1:S.オジエ(フォルクスワーゲン)2:53:18.0
2:J.ラトバラ(フォルクスワーゲン)+6.8
3:A.ミケルセン(フォルクスワーゲン)+1:18.0
4:K.ミーク(シトロエン)+1:44.0
5:M.ヒルボネン(フォード)+1:53.6
6:H.パッドン(ヒュンダイ)+2:56.2
7:T.ヌービル(ヒュンダイ)+4:28.2
8:E.エバンス(フォード)+5:10.0
9:R.クビカ(フォード)+6:39.8
10:C.アトキンソン(ヒュンダイ)+9:29.4