ヘイデン・パッドンが、母国ニュージーランドラリー選手権の開幕戦、オタゴラリーに参戦し優勝を飾った。パッドンがドライブしたのはAP4仕様のヒュンダイi20。また、クラシック部門に参戦したマルコ・マルティンもクラス優勝を飾っている。
4月8日にフィニッシュを迎えたオタゴラリーで、パッドンは9分22秒1という大差をつけての圧勝を決めた。パッドンの駆ったマシンは、ニュージーランドやオーストラリアの国内選手権で導入されている改造範囲の広いAP4規定仕様で、南米のMaxiに類似している。ニュージーランドの強豪ドライバーであるアンドリュー・ホークスウッドが率いるフォース・モータースポーツが製作した。このAP4は今季からAPRCにも参戦可能となり、クスコレーシングもトヨタ・ヴィッツをベースとしたAP4車両を製作中だ。炭山裕矢がアジアカップにエントリーを予定している。
「新たに製作したマシンでのデビュー戦は、ほぼ完璧だった」とパッドン。
「例外を言えば、自分の予想をはるかに上まわっていたということ。マシンのベースはとてもいい。チームはこのラリーのスタートを目指して必死にがんばってきた。シェイクダウンでもマイナートラブルが出たけど、そのおかげベストの状態でラリーを迎えることができて本当によかった」
このAP4仕様のi20は1.8リットルターボを搭載しているが、パッドンはまだ伸び代があると感じているようだ。パッドンは4月21〜24日に開催されるWRC第4戦アルゼンチンに参戦した後、再びニュージーランドに戻り、翌週にはこのマシンで、APRC開幕戦も併催となる第2戦ワンガレイにもエントリー予定だ。
「ゼロからのスタートだったので、今回はこれが精いっぱいだったと思う。ラリードライバーとしてはできる限り速く走りたいと思うのが常だし、もちろん自分も速く走るのは大好きだ。このマシンは、コーナーでの速度が素晴らしかった。ニュージーランドではWRカーを作ることは目指していない。でも、費用対価で考えれば、これ以上望めないほどのマシンだ」
また、フォード・エスコートRS1800でこのラリーのクラシック部門に参戦したマルコ・マルティンは、スタートから首位を譲らない走りで、全17SS中13本でベストタイムをマーク。最終的に2位を2分半以上引き離しての部門優勝を飾った。「ニュージーランドで名門クラシックラリーに参戦できたのは、とても楽しかった。素晴らしい景色のなかを走るのは最高だったし、素晴らしいマシンでいい走りができた」とマルティン。