WRCイタリアで優勝を飾り、歓喜のフィナーレを迎えたティエリー・ヌービルだったが、イベント後の車検では、自身の優勝が反故にならないかという不安にかられる事態となった。イベント後に行われた車検で、FIAの車検委員ジェローム・トーケによる報告が上がり、審査委員会が調査に入ったからだ。
車検で指摘されたのは、i20 WRCのリアウィンドウ。これがホモロゲーションシートに添付された写真の形状と異なることが発覚したのだ。
チーム代表のミシェル・ナンダンはこの事実を認め、チームが今季の開幕戦モンテカルロから投入している2016年スペックのi20 WRCはすべて、同型のウィンドウを使用していると説明。ホモロゲーション申請の段階でミスがあったことを認めた。
ナンダンはこの状況について、ホモロゲーションシートに添付されている写真の窓は、最終的に実戦投入に至ったマシンには装着ができないと説明。このマシンは、ホモロゲーションの検査時にはドアが取り付けられていない状態だったといい、チームはこの窓が合わないことには気付かなかったという。
イベントの審査委員会には、新しい窓は、片側が17g、反対側が19g軽いと伝えられたという。この結果、ヒュンダイ・モータースポーツには、5万ユーロ(約600万円)という高額な罰金が科された。この裁定について、ナンダンはコメントを出していないが、抗議はしないものと見られている。