世界ラリークロス選手権は第5戦のファイナルが6月12日、ノルウェーのヘルにあるランケバネン・サーキットで行われ、4回の予選ヒートすべてでトップタイムを叩き出したアンドレアス・バックラッド(フォード・フォーカスRS)が、セミファイナル、そしてこのファイナルも制し、母国戦で完全勝利を果たした。Q1‐4、セミファイナル、ファイナルをすべて制するのは、世界ラリークロス選手権史上、初の快挙。
ファイナル2位はスウェーデンのティミー・ハンセン(プジョー208)、3位にもマティアス・エクストローム(アウディS1)が入り、北欧勢がポディウムを独占した。エクストロームは、ドライバーズ選手権でのリードも守っている。
今季はケン・ブロックのチームメイトとして、フーニガン・レーシング・ディヴィジョンから参戦しているバックラッドは、パーフェクトウィンを果たした今回のノルウェーで30ポイントを獲得。ドライバーズ選手権の順位もひとつ上げて5位に浮上した。「自分の国のコースで行われる母国戦を勝つのは、世界でいちばん気分がいいよ。夢のようだ」と喜びを見せるバックラッドは、まだ24歳。「チームが必死にがんばってきてくれたので、フォーカスもペースが上がってきた。ファイナルではファンのために、チームのために、必死でプッシュしたよ。応援してくれたみんなに感謝したい」
悲願の母国戦初優勝を目指したペター・ソルベルグ(シトロエンDS3)もファイナルに進出したが、セバスチャン・ローブ(プジョー208)と並んでの最後列スタート。ジョーカーラップで好判断を行っての4位が精いっぱいだった。「この週末は世界RXが始まって以来、最も厳しい週末だった」とソルベルグ。
「リスクを負わない範囲でできる限りのことをしたが、ペースを上げるための答えが見つからなかった。どこが問題なのか、どこでタイムロスをしているのかは分かっているが、どうしてなのかが分からない」
ローブはファイナル5位に終わったが、ドライバーズ選手権ではヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロ)と並んでの3位に浮上している。
「浮き沈みの多い週末だった。予選はかなりリズムがよかったし、セミファイナルも悪くはなかった」とローブ。
「でもセミファイナルが3位だったので、ファイナルでのスタートポジションが最後列になってしまったから、5位以上は難しいと思っていた。全体のパフォーマンスが少し伸び悩んではいるが、選手権3位に上がったのでポジティブに考えているよ」
世界RXへル ファイナル結果
1 A.バックラッド(フォード・フォーカスRS) 3:58.641
2 T.ハンセン(プジョー208) 3:59.716
3 M.エクストローム(アウディS1 4:01.120
4 P.ソルベルグ(シトロエンDS3) 4:01.794
5 S.ローブ(プジョー208) 4:03.152
6 T.ティマラザヤノフ(フォード・フィエスタST) 4:05.862